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学校裏サイト 誹謗中傷「減ってない」…隠語ですり抜け、監視に限界

ネット監視大手「ガイアックス」(東京都品川区)の社内には、100台を超すパソコンが24時間体制で稼働する部屋がある。常駐するスタッフが画面越しに見つめるのは「学校裏サイト」への書き込みだ。

生徒らが学校に関する話題を語り合うために設置した学校裏サイトが、いじめの温床として注目され始めたのは平成19年ごろから。以来、対策は進み、文部科学省によると22年12月時点で、都道府県と政令市の約7割が民間業者に委託するなどして「ネットパトロール」に取り組んでいる。

ガイアックスも16の自治体と契約し、延べ3330校の裏サイトを監視。「個人が特定できる誹謗(ひぼう)中傷やメールアドレスなどを見つければ、学校に連絡し、サイト管理者に削除依頼する。自殺や犯罪予告は警察に通報します」と同社の杉之原明子さんは説明する。

21年6月に全国に先駆けてネット監視を始めた東京都教育庁の小沢哲郎主任指導主事(53)は「書き込みを1分でも放置すれば転載が繰り返され、飽きられるまで無限に拡大する危険性がある」と早期発見の必要性を指摘。都では21年度に発見された学校裏サイトへの書き込みのうち約13%あった誹謗中傷が昨年度は1・3%にまで減った。

だが、ネット監視は万能ではない。杉之原さんは言う。「パトロールできるのは誰でも閲覧できるサイトだけ。『ミクシィ』や『モバゲー』などの会員制サイトやメール、無料通信アプリの『LINE(ライン)』などでのやり取りは法律上監視できない」

◆隠語ですり抜け

全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長(47)も「学校裏サイトへの書き込みは減ってなんかいない。監視する側が見つけられなくなっただけだ」と指摘する。

安川氏によると、書き込みの舞台は会員制サイトに移行し、パスワードを設けたり、警察が捜査できないよう海外のサーバーを使ったりするケースもある。さらにネット監視の検索などをすり抜けるため、「死ね」なら「氏ね」「市ね」と隠語を使い、「横浜」なら「木」「黄」「三」「兵」と分割。「ネットいじめは巧妙、悪質化している」と安川氏。実際、同協議会へのネットいじめの相談件数はここ数年、7千~8千件で微増傾向にある。

ネット監視に限界がある中、「ネット情報の正しい受け取り方を教えることが、ネットいじめ防止の手段」と強調するのは、NPO法人「青少年メディア研究協会」(前橋市)の下田太一理事長(35)だ。

ネット上のコミュニケーションは字面だけで、相手の真意を理解するには圧倒的に情報量が足りない。下田氏は「子供たちは欠けた情報を勝手な『思い込み』で補い、心理的に追い詰められる。場の雰囲気や空気が読めないネットコミュニケーションの特性を理解できれば、ネット上の言葉に対するフィルターや抗体ができ、不快な言葉を問題視しなくなる」と主張する。

◆親の役割が重要

学校現場での情報教育も広がっている。東京都世田谷区では区立中学全29校で大学生によるネットリテラシー(情報の評価・活用力)講座を実施。体験談を交えてトラブルの危険性と有効活用法を伝える。「ネットは危ないから使うなというのは車は危ないから乗るなというのと同じでネットも正しく使えば生活を豊かにする」と橘太造教育指導課長(50)は話す。

安川氏は被害者にも加害者にもさせないために親の役割の重要性を強調する。「危ないサイトへの接続を制限するフィルタリングの設定が最も効果的な対策だが、大半の親は設定していない。スマートフォン(高機能携帯電話)を買い与えるなら、親も一緒に買って勉強していかないと子供の言いなりになる」と話す。

ネットいじめは学校の内外を問わないため、夏休み中も継続し、休み明けに悪化するケースも多いという。子供の様子に敏感になる必要がある。安川氏は言う。「急に着信音をオフにしたり、家族の前でメールを見なくなったりしたら要注意。被害に遭っていることを家族に知られないようにしている可能性がある」

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20130828535.html

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