6年ぶりに史上最高気温を更新するなど記録的猛暑が続く日本列島だが、このところの東京の最高気温は熱帯地方に位置する東南アジアの主要都市と比べても高い。専門家は地球温暖化や都市化の影響があるとみており、「夏だけ熱帯化が進んでいるようだ」とも指摘している。
気象庁によると東京都心では16日までの1週間は最高気温34度以上の日が続き、11日に38.3度を観測。一方、バンコク(タイ)は高くて35度。クアラルンプール(マレーシア)は31~34度、シンガポールやマニラ(フィリピン)でも30度前後にとどまる。
年間を通じて気温の高い熱帯に対し四季のある温帯では、気温が上昇する夏に一時的に熱帯より暑くなることは珍しくないという。しかし今年はフィリピン沖で上昇気流が盛んに発生しており、太平洋高気圧の勢力が強い。日本で気温が上がる一方、東南アジアは雲がかかりやすく、8月上旬の平均気温は地域全体で平年比約1度低いという。
気象庁の担当者は「東南アジアより気温が上がるという現象が、今年は顕著に現れている」と説明した。
ただ東京では早いペースで温暖化が進んでいる。気象庁の調査では過去100年間に全国の平均気温が1度前後上昇した一方、東京は3.1度と上回る。排ガスや空調の排気熱による「ヒートアイランド現象」が東京の気温上昇をもたらしたとみられる。
気象予報士の森田正光さん(63)は「夏だけ熱帯化しているよう。東京の夏が過ごしにくくなっていることは間違いない」と話す。ヒートアイランド現象で暑さを体感しやすくなっているといい、「風通しのいいビルを建てたり、節電で排気熱を抑えたりすることで暑さを和らげることはできる」と指摘している。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130816/scn13081623470000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130816/scn13081623470000-n2.htm