情けはボクの…幼児で親切の効用実証
他人に親切な人は、自分も他人から親切にされることを、大阪大人間科学研究科の大西賢治助教らの研究チームが5、6歳児の行動観察で確認し、米科学誌プロスワンに発表した。
チームは、「人に良いことをすれば良い報いがあるという『情けは人のためならず』ということわざを、初めて科学的に実証できた」としている。
チームは2009年6月から翌年3月にかけて、大阪府内の保育園で、5~6歳の園児約70人の行動を観察。このうち、着替えを手伝ったり、おもちゃを貸したりする親切な行動をよくする園児を12人選んで「親切児」とした。さらに、親切児の親切な行動を1メートル以内で見ていた別の園児が、その後の10分間、どのように振る舞うかを、計283回観察した。
その結果、親切児に対して別の園児が親切な行動をとる回数は、親切児が親切な行動をしなかった時と比べて平均で約12倍、好意的な言葉で話しかける回数も約2倍に、それぞれ増えた。
人間の認知や行動に詳しい小田亮・名古屋工業大准教授は「幼児は直感的に親切な行動をしているはず。(ことわざのように)高度に見える人間の社会規範や行動原理を支えているのも、案外、原始的で単純な心の働きではないかということを示した成果だ」と話す。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20130814-567-OYT1T00830.html