LINE:9割利用、2割トラブル 10代50人に聞く
利用者が急増しているスマートフォン用アプリ「LINE(ライン)」はその利便性から、会話が過熱するなどして、トラブルや事件のきっかけになることがある。毎日新聞が10代の男女50人に尋ねたところ、9割が日常的にラインを使い、うち2割以上がトラブルを経験していた。専門家らは、特有のネット空間にはらむ危険性を指摘している。
毎日新聞が今月中旬、大阪市の路上で、13~19歳の中高生、専門学校生ら50人(男女各25人)に直接、聞き取った。46人(92%)がラインを日常的に使っていると答えた。
ラインで会話をするのは主にクラスや部活動の友人。複数の友人と画面上で同時にやり取りできるチャット機能が支持されている。
フリーターの男性(19)は「電話やメールは一切使わない。ラインは生活に欠かせない」と話した。「1日10時間近く使う」という専門学校生の女性(19)、「1日300通以上のメッセージをやり取りする」としたフリーターの女性(18)など、ヘビーユーザーも多かった。
一方、利用者の約22%に当たる10人が「トラブルになったことがある」と語った。友人らとの会話がささいな表現から感情的になり、けんかにつながったりするという。
専門学校生の男性(18)は「素早くやり取りするうちに、よく考えないで返事をして言葉がきつくなることがある」。受け取ったメッセージを読むと、送った側に「既読」と表示される機能もトラブルのきっかけになることがある。フリーターの女性(18)は「読んでいなかったり、返事が遅くなると、『何で返さへんの』と怒る人が結構いる」と話す。
感情的になって荒っぽい言葉遣いをしてしまった人も少なくない。高校2年の女子生徒(17)は「仲の良い友達にも、つい『だまれ』などと書くことがある」。高校1年の女子生徒(15)は「ラインでは、会っている時には絶対に言わないような悪口をよく見かける」と話す。「本当に仲が良い友人を除くと、短いメッセージの意味を誤解されやすい」。高校3年の女子生徒(17)の指摘だ。
ラインを巡るトラブルが事件のきっかけとされることもある。広島県呉市の死体遺棄事件では、逮捕された少女(16)が「(被害者に)ラインで悪口を書かれ腹が立った」と供述していることが県警の捜査で明らかになった。友人の悪口をラインに書き込まれて腹を立て女子中学生(14)を殴ったとして、兵庫県警が今月、少女(14)を暴行容疑で逮捕する事件なども起きている。【栗田亨、遠藤孝康、服部陽】
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