【阿部彰芳、佐々木英輔】ホットケーキや菓子類などに含まれるアルミニウムの添加物について、厚生労働省は21日、使用基準を定めて規制する方針を決めた。食事の取り方によっては、幼児で国際基準を上回るおそれがあることが分かったためだ。アルミは多量に取ると、神経系に影響が出る心配がある。厚労省は業界にも自主的に減らすよう通知を出し、消費者にもバランスのよい食事を呼び掛ける。
世界保健機関(WHO)などによる専門家会議は、アルミを一生とり続けても、健康に影響がない1週間の許容量を体重1キロあたり2ミリグラムに定めている。国内では水道水には基準があるが、食品は一部を除きなかった。
厚労省は2011~12年度に、様々な食品に含まれるアルミの量を調べ、食事の調査をもとに年齢層ごとの摂取量を推計した。このうち1~6歳は、平均では許容量の4割におさまったものの、多くとる5%の人は許容量を上回った。7歳以上はいずれも許容量内だった。
1~6歳はアルミの4割を砂糖類・菓子類、3割を穀類からとっていた。アルミは自然界にも存在し、生鮮食品にも含まれるが、膨らし粉(ベーキングパウダー)に含まれるミョウバンなどが影響しているとみられる。膨らし粉を使う食品には一部の菓子パンや、ドーナツ、蒸しパンなどがある。ミョウバンは浅漬けの色をきれいにしたり、生ウニの形崩れを防いだりする目的でも使われる。
厚労省は、アルミを含む添加物について食品安全委員会に評価を求め、食品での上限値を定める。
アルミは大量にとり続けると腎臓や握力に障害が起こることが動物実験で確認されている。アルツハイマー病との関連も指摘されているが、厚労省は「明確な科学的根拠はない」という。
朝日新聞社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130622-00000020-asahi-sci