中古車販売に携わる外国人が多く住む新潟市北区の新潟東港周辺で、不法投棄防止を呼びかけるため、08年から毎年行われている清掃活動「東港周辺地区クリーン作戦」(同区役所など主催)が、犯罪抑止や地域住民の交流に一役買っている。同地域では、活動を機に、地元住人のごみ捨て意識が変化し、外国人と日本人との間に新たな交流が育まれているという。【真野敏幸】
東港周辺では90年代以降、ロシアなどへの中古車輸出を行う外国人が増加。それに伴い、中古車業者が捨てた古タイヤや自動車部品などの不法投棄が増え、同地区に住む日本人と外国人の間に溝ができたという。
そこで、同市や周辺自治会などがクリーン作戦を考案。それが、同じ地域に住む外国人と日本人約150人が一緒にごみ拾いする活動だった。以来、続けられ、例年20〜30人の外国人が参加しているという。
27年前にパキスタンから来日し、日本国籍を取得した中古車販売業の小島夢者人(ムジャヒド)さん(53)=同市北区=は、毎年欠かさずクリーン作戦に参加している。小島さんは「昔は何かあれば外国人が疑われるようなことがあったが、クリーン作戦をきっかけに、日本人と互いに理解し合えるようになった」と話す。今では、周辺自治会が外国人との懇親会を開いたり、一緒に地域のパトロール活動を行ったりするまでになったという。
同地区を管轄する北区役所や新潟北署も「不法投棄の苦情がここ数年で大幅に減少した」と指摘する。同署は「特に東港周辺の不法投棄が減っている。地域住民によるパトロールやごみ拾いなどの地道な努力が実りつつある」とみている。クリーン作戦は今月25日にも同区で開催される。
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20130523ddlk15040112000c.html