携帯電話(ケータイ)やスマートフォン(スマホ)など、携帯型端末は子どもたちの必須アイテムになりつつあり、子どもたちのインターネット(以下ネット)利用率は急激に高まっている。「便利なツール」であるはずのネットが原因で、精神や体調にトラブルを起こしてしまう「ネット依存症」になる子どもも増えており、低年齢化も急速に進んでいるという。精神科医で、「ネット依存症」に詳しい成城墨岡クリニック院長の墨岡孝氏に話を聞いた。
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「ネット依存症」とは、ネットを使いすぎることによって、日常生活や社会生活に障害が起こることです。「ネット依存症」になると、友達とうまく付き合えない、学校に行かなくなるなど、社会との関わり方について自分でコントロールできなくなったり、ケータイやスマホなどが手元にないとパニック状態になったりします。オンラインゲームやネットに熱中しすぎて不規則な生活となり、自律神経に問題が生じて、頭痛やめまい、肩こり、吐き気などを訴えるケースもあります。
今のところ高校生や大学生などに多く見られるものですが、発症する世代の低年齢化は急速に進んでおり、小学生にも見られるようになっています。早い段階で症状を見つけるために、身近にいる保護者の方々の日々のチェックは大変重要です。
上記の診断基準表の中で、ひとつでも心当たりがあったら「ネット依存症」を疑い、専門家に相談してカウンセリング治療を行ってください。この時に大切なことは、保護者が無理矢理ケータイやスマホを取り上げないことです。必ず、専門家に任せてください。ネットの利用者は、今後ますます低年齢化するでしょう。そのネットとうまく付き合うには、保護者の方々の補助がとても重要になります。
ベネッセ教育情報サイト
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