新潟県の東京電力柏崎刈羽原子力発電所での事故を想定して、原発から30キロ圏外への住民の避難などを行う大規模な訓練が行われました。住民が一斉に車で避難したため渋滞が起きるなど課題が浮き彫りになりました。
この訓練は、おととしの福島第一原発の事故のあと避難などを重点的に行う範囲が原発から30キロに拡大されたことを受けて初めて行われました。新潟県内のすべての市町村や隣接する長野県や群馬県の担当者、それに原発立地地域の住民など合わせておよそ1500人が参加しました。
訓練は、震度6強の地震で、原子炉の冷却機能が失われ、外部に放射性物質が放出されるという想定で始まりました。事故の通報を受けた県の職員は、原発から10キロあまり離れた柏崎市の道の駅に放射線量を測定するモニタリングポストを設置しデータが正常に送られているか、確認していました。原発から5キロの距離にあり事故が起きた際に直ちに避難の対象となる、柏崎市と刈羽村では住民およそ400人が、バスやマイカーに乗り込み、原発からおよそ90キロ離れた新発田市などに向かいました。避難指示が出され、住
民が一斉に避難を始めると、国道は渋滞が起き、訓練に参加した女性は「本当に事故が起きた場合は、さらに混乱するのではないかと心配だ」と話していました。
新潟県は今後、広域避難の課題などについて検証することにしています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1033139952.html?t=1364052024217