県内各地の海岸で、アカウミガメの子ガメが相次いで確認されている。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているアカウミガメ。確認が増えている理由は不明だが、昨夏に新潟で「北限の産卵」が報じられ、アカウミガメに市民の関心が高まったことが背景にあるとの見方もある。
上越市の海岸では昨年12月21日と今月5日に1匹ずつ、いずれも散歩中の男性が見つけ、同市立水族博物館に届けた。2匹はともに生後半年ほどの大きさだった。同館にアカウミガメの子ガメが持ち込まれたのは92年以来、21年ぶりという。
2匹目を見つけたのは同市五智4の大工、斉藤和人さん(65)。5日昼、同市西本町の海岸の波打ち際で、海草に紛れてあおむけになっていた子ガメを見つけた。斉藤さんは「海岸でよく散歩をするが、アカウミガメを見つけたのは初めて。驚いた」と話した。
新潟市水族館マリンピア日本海にも、例年より多い7匹が持ち込まれている。昨年11月29日から今月25日の間、新潟市から村上市の海岸で発見された計7匹が持ち込まれた。子ガメはふ化後の11〜2月ごろをピークに発見されているが、マリンピアに届けられるのは例年なら多くても2、3匹。届けがない年もあるという。
マリンピアによると、アカウミガメは熱帯から温帯海域に生息する。日本では8〜10月、北部では太平洋側で茨城辺り、日本海側では能登半島辺りまでふ化が確認されている。県内では昨年7月、新潟市北区の太夫浜でアカウミガメの産卵が確認され「北限の産卵」として話題になった。今回発見された7匹も、太夫浜でふ化した子ガメではないかとの期待もあるが、確認は難しい。
獣医師でマリンピアでウミガメを担当する岩尾一さん(37)によると、親の数が急増しなければ子ガメの数が急増するとは考えにくい。海水温に目立った変化もないということから発見が増えている理由ははっきりしない。岩尾さんは「北限の産卵やふ化が報道され、アカウミガメへの関心が高まり、水族館への届け出が増えているのかも」と推測する。
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20130128ddlk15040073000c.html










