学入試センター試験が19、20日に実施される。昨年は問題配布ミスや試験時間の繰り下げなど7000人以上の受験生に影響が出る過去最悪のトラブルに見舞われた。「今回は絶対ミスをなくしたい」。あらゆる対策を講じる大学入試センターや各大学は、受験生同様の緊張感を漂わせながら間近に迫った本番の準備に追われている。
「同じパターンのミスはまず起きないと考えている」。大学入試センターの担当者は胸を張る。
昨年最大のトラブルは、地理歴史と公民で起きた問題配布ミスだ。地理歴史と公民の10科目から最大2つまで選択できる方式を新たに導入。問題冊子は地理歴史と公民で各1冊で、2冊必要な受験生に1冊しか配布しないなどのミスが続出し、全会場の1割以上にあたる81会場の約3400人が再試験の対象となった。
■パッケージで配布
問題冊子の配布の複雑さがミスの原因だったため、今回は2冊をパッケージにして配布する。昨年は説明に手間取るなどして時間を繰り下げた会場も相次いだことから、地理歴史と公民、理科については説明時間を5分延長。試験監督の補助員も受験者50人に対し1人増やす。
■監督説明会を徹底
文部科学省の検証委員会では試験監督を務める各大学教員の意識の低さも原因と指摘された。アンケートでは、試験監督説明会に「熱心に参加している」と受け止めている大学は半数程度。大学入試センターは、これまで8月と12月の2回だった各大学向けの説明会を10月にも行い、教員への周知徹底を要請した。
昨年、配布ミスが最も多かった北海道大学では、1回だった試験監督向けの説明会を2回実施する。
昨年は3割弱の教員が欠席し、ミスが相次いだため、監督者は必ず出席するよう指示。時間も1時間から1時間半に延ばし、実際に会場で発言する内容を入試課の職員が見本を示す。やむを得ず出席できない教員には、説明会の様子を録音したCDを配布する。
また、昨年は東日本大震災の被災地である宮城県気仙沼市に設けられた臨時会場に、英語のリスニング機器が届かず、約200人の試験開始が2時間遅れるというミスも起きた。
会場を担当した東北大は「1大学1会場がリスクを減らす最善策」として、今年は宮城大学が臨時会場の運営に専念する。宮城大の担当者は「ミスのないよう万全を期したい」と話している。
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