「飽食の時代」の現代、栄養失調の人が増えていることをご存知ですか?
高齢者のなんと5人に1人は栄養失調で、若い女性にも栄養失調が増えているそうです。
3食、ちゃんと食べているのに栄養失調になる――当人にとって奇々怪々なこの栄養失調は、「新型栄養失調」と言われています。
新型栄養失調とは何か
なぜ、きちんと食べているのに栄養失調になるのでしょう。
栄養失調の指標になるのが、血清アルブミンです。
では血清アルブミンとは何か。
血液がうまく循環するための浸透圧と、体内のいろいろなものと結合してこれを目的地に運ぶたいせつな役割をしているもので、その正体はタンパク質なのです。
つまり、新型栄養失調とは、一口に言えば、タンパク質不足なのです。
高血圧対策のためにコレステロール摂取を抑えようと野菜中心の食事にしている高齢者や、「粗食が健康にいい」といって肉類を食べるのを避けているお年寄りは結構多いもの。
「高齢者の5人に1人は栄養失調」と言われる理由も、納得がいきますね。
若い女性にしても然りです。
ダイエットのために、野菜中心で肉や卵・乳製品の摂取を極端にセーブする食事をしていたら、新型栄養失調になる危険があります。
*からだがだるい
*ふらふらしてめまいがする
*顔がむくむ
なんて症状があったら、要注意です。
それに、タンパク質を摂らないのは第一美容にもよくありません。
*肌のハリがなくなり、髪の毛の色素が落ちる
のです。
バランスのとれた食事がいちばんなのです。
「昔の日本人の食事が健康にいい」は大きな間違い
新型栄養失調が増えている理由の一つは、「昔の日本人の食事が健康にいい」という思いこみもあるのではないでしょうか。
「豆腐や納豆中心の食事がよくて、肉類は極力食べないほうがいい」と考えている人が、高齢者だけでなく結構いるように思います。
ところが、「日本人の平均寿命」と「食生活の変化」を見ると、興味深い事実を知ることができます。
米と芋類と野菜と大豆中心の食事だった1921年から1925年当時の平均寿命は、なんと男性42.06歳、女性43.20歳でしかなかったのです。
戦後になると、摂取量が上昇したのが、「牛乳・乳製品」、「肉類」、「魚介類」でした。
中でも、「牛乳・乳製品」と「肉類」の摂取量は年を追うごとに増え、目を見張るものがありました。(戦前は、限りなくゼロに近かったから当然ではありますけれど)
日本人の平均寿命のほうは、1947年の男性50.06歳、女性53.96歳から徐々に上昇して、世界のトップランクに躍り出ていることはご存知の通り。
「昔の日本人の食事が健康にいい」とは、とても言えないことが如実にわかります。
つまり、バランスのとれた食事が日本人の平均寿命を延ばしたわけで、バランスのいい食事がやはりいちばんなことがわかります。
「医食同源」。
肉も魚も野菜も乳製品も豆製品も、上手に摂りたいですね。
ちなみに、元気な高齢者は肉をよく食べている人と、栄養学の大学教授から聞いたことがあります。胃腸も歯も丈夫な証拠だからかしらん。
ともかく、食事でダイエットするなら頭を使って、やらないと! とは思います。
http://news.infoseek.co.jp/article/kmonos_2013_01_c014