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新潟市のアニメまちづくり構想本格化

水島新司さんや高橋留美子さんら多くの漫画家を輩出した新潟市。今年は2月に古町地区で「マンガの家」、5月には万代地区に「マンガ・アニメ情報館」がオープンするなど、「マンガ・アニメを活用したまちづくり構想」が本格的に動き出す。地方都市でもマンガ・アニメ文化は花開くのか。市が企画・制作したアニメ「古町(こまち)と団五郎~ラグーンストーンを探せ!~」の監督、阿部恒さん(49)と、市内に住みながら漫画家として活動する鈴木いこさん(25)にマンガ・アニメにかける思いなどを聞いた。

■地方都市の面白さ追求 「ラグーンストーンを探せ!」監督阿部恒さん

アニメ「ラグーンストーンを探せ!」は昨年11月に新潟市万代地区で行われた「がたふぇす にいがたアニメ・マンガフェスティバル」会場で初公開。マンガ・アニメのまちにいがたサポートキャラクター、花野古町と笹団五郎が宇宙からやってきた主人公2人になり、なくしてしまった宇宙船の動力源、ラグーンストーンを探すストーリー。

行政が観光PRや教育目的にアニメを作るケースはあるが、「ラグーンストーンを探せ!」は市がアニメプロジェクトと銘打ち、誰もが楽しめる普通のアニメーション作りを企画。インターネットを通じ、作品が世界に羽ばたけるように行政のPR色をなくし、制作の条件は主役が古町と団五郎、上映時間が8分、そして新潟市が舞台となることだけだった。

監督の阿部恒さんは加茂市出身で、中学の1年先輩が泉田裕彦知事。新潟市職員と友人だったいとこを通じて照会があり、昨年2月に市の担当者と面談したという阿部さんは「萬代橋や県庁を破壊して構わない。ストーリーはオリジナル、しかも短尺だというので、面白いものができると思った」。所属会社「MAPPA」(東京都)で制作を請け負うことが決まった。

阿部さんは地元の高校を卒業後、アニメーターを目指して都内の専門学校に入学。半年後、アニメ制作会社に就職が決まり、虫プロダクションや童夢、マッドハウスなどに在籍しながら主に作画やキャラクターデザインを担当。アニメ「魔物ハンター妖子2、3」(平成4、5年、マッドハウス)では監督も務めた。

まちづくりにマンガ・アニメの活用を目指す新潟市に対し、「がたふぇすでコスプレをし、アニメまで作るのは本当に意外。サブカルチャーで文化発信するのはありがたい」と歓迎。アニメ制作会社の支店が地方進出する例は少なくないと指摘し「昔は撮影、現像、編集、音響の拠点は東京にしかなかったが、今は新潟でもリアルになりたつ」と可能性を認める。

「ラグーンストーンを探せ!」はいくつかの謎を残したまま、エンディングで「つづく」の文字が浮かんで終わった。市は今後、続編を重ねて一本の長編に仕上げる方針だ。

監督は約20年ぶりになるという阿部さんは「アニメ・マンガは子供のためにあるべきだが僕の持論。小町たちが楽しく、かわいく動き、はじけてくれ、見ている方に『面白かったね』と言ってもらえれば監督冥利です」と、続編作りに意欲を燃やしている。

■「長期連載勝ち取る」 市内在住漫画家 鈴木いこさん 

「市から原案が示され、それをどう分かりやすくストーリー化し、マンガとして伝えるか。ごみの専門的な問題は分からないので、そこが一番苦労したかな」

昨秋、新潟市が発行したマンガ版「生ごみ減量&活用!ガイドブック」の作画を担当した鈴木いこさん。2人の主婦が生ごみ処理を楽しく実践するストーリーを描いた。固くなりがちな行政広報とは異なり、親しみやすく好評だった。

鈴木さんは福島県柳津町出身。保育所に入った頃からマンガ好きで、「ドラゴンボール」(鳥山明)や「幽遊白書」(冨樫義博)を愛読。小学校はイラストクラブに入って好きな絵を模写し、中学生になって初めて買った単行本「幻想大陸」(夜麻みゆき)を読んで感動。「私も好きな絵で人を感動させたり、笑わせたい」と漫画家を志した。

高校卒業後、プロの漫画家やアニメーターを輩出する新潟市中央区のJAM日本アニメ・マンガ専門学校に入学。マンガクリエート専攻科1年のとき、東京の出版社への持ち込み5作目で秋田書店「月刊プリンセス」の期待賞を獲得し、同誌の平成19年9月号に読切作品が初掲載。翌年2月号に「双子の法則」で、在学中のデビューを飾った。

これまで同誌に読切や全3話の短期連載など少女漫画約10作品を掲載。今月6日発売の同誌2月号に読み切り「目にはさやかに見えねども」が掲載される。鈴木さんは「今はまだ力不足で、漫画家としては卵。単行本を出して一人前だが、当面の目標は長期連載を勝ち取ること。いつかは大好きなファンタジーを描いてみたい」と目を輝かす。

同校を卒業した今も新潟市を拠点に活動を続ける。「編集者と直に会えないハンディはあるけど、新潟では学校もバックアップしてくれるし、必要な道具は何でも手に入る。電話とFAXがあれば、マンガはどこでも描けます」ときっぱり。作品には新潟の風景や町並みが反映され、今は慣れ親しんだまちで活動を続けていくつもりだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130101-00000003-san-l15

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