キノコ生産大手の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)は14日、官民連携でバングラデシュ北部の農村地帯で栽培した緑豆を日本向けに出荷したと発表した。来年1月には、スーパーの店頭に、安全面の品質を管理したバングラ産緑豆を日本で生産したモヤシがスーパーの店頭にお目見えする。
モヤシ原料の緑豆は、今は輸入量6万トンのうち9割強を中国産に頼るが、日本企業が中国以外での大規模生産に成功したのは初。「脱中国で安定供給を実現し、現地の貧困解決にも貢献する」(佐竹右行執行役員は)のが狙いだ。
今年は230トンにとどまるが、来年は約4倍弱の1000トンに、5年後には1万トンと全輸入量の6分の1をバングラ産に切り替え、調達先の多様化を実現する。食卓でも中国一極集中を回避するチャイナ・プラス・ワンが進みそうだ。中国産緑豆は中国の人件費高騰で購入価格が5年前の約2倍の14万円超(トン当たり)に高騰、新たな安定供給先が求められていた。
一方、同プロジェクトは貧困層の起業や自立を支援するグラミン銀行グループと日本企業との初の合弁会社。グラミン・クリシ財団と設立した合弁会社を通じて、貧困が深刻な地域ですでに約8000万人の雇用を創出、今後は収穫した緑豆の約4割は現地の農民に低価格で提供し、現地の栄養改善にも貢献する。
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