FacebookなどのSNSを利用しながらセキュリティやプライバシーを守るための提言をまとめた報告書「SNSの安全な歩き方」を特定非営利活動法人(NPO)の日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が公開した。
この報告書では、SNSの主な問題を4つに分類している。「プライバシーに関する情報が集積し、意図せず公開されること」「マルウエアや詐欺の道具として利用されること」「偽アカウント、アカウントの乗っ取りが横行していること」「不適切な発言や行為」だ。
4つの問題は互いにかかわり合って、ストーカー行為やサイバー犯罪者による攻撃などの被害につながっている。
このうちJNSAが最も注目しているのは、SNSを利用しているうちにプライバシー情報が集積していき、それらを意図せず公開してしまう問題だ。
利用者がよくトラブルに遭うきっかけが、公開されると知らずプロフィールに住所や電話番号などを載せてしまう「不用意な公開」、そして利用者自身の設定変更でプライバシー情報の公開を制限するオプトアウトの仕組みを知らずトラブルになる「設定の不備」、さらには「アプリケーションによる公開」「“友達”による情報の公開」などだ。
この他、複数のSNSなどで同じIDを使っている場合にそれらを総合するとプライバシー情報が明らかになってしまう「他の情報との関連付け」、さらにはSNS運営会社の方針変更でこれまで非公開だった情報が後から公開される「SNSのポリシー変更」もトラブル要因になっている。
JNSAでは、こうした問題はSNSの特性を理解し、適切な設定を行えば回避できるものが少なくないとして、次の通り「SNSを安全に歩くための10項目」を挙げている。
SNSを安全に歩くための10項目
- 常に公開・引用・記録されることを意識して利用する
- 複雑なパスワードを利用し、セキュリティを高める設定を利用する
- 公開範囲を設定し、不必要な露出を避ける
- 知らない人とむやみに“友達”にならない、知っている人でも真正の確認をする
- “友達”に迷惑をかけない設定を行う
- “友達”から削除は慎重に、制限リストなどの利用も考慮する
- 写真の位置情報やチェックインなど、技術的なリスクを理解し正しく利用する
- むやみに“友達”のタグ付けや投稿を行わない
- 対策ソフトを利用し、危険なサイトを利用するリスクを低減する
- 企業などの組織においては、SNSガイドラインを策定し順守する
「友達(フレンド)」に直接言及した項目が4つ挙がっており、特に重視されている。SNS上の友達は追加も削除も慎重に行うよう勧めているが、これは、うろんな相手を友達として登録したことでプライバシー情報を取得されたり、友達から削除したことを逆恨みされて殺人事件につながったりした事例を踏まえての注意だ。
http://news.goo.ne.jp/article/niftybusiness/life/education/niftybusiness-bm-36326.html