厚生労働省の調査によると、臨床研修医の年間給与は、ほとんどの基幹型臨床研修病院で320万―720万円の範囲内にあるが、一部では920万円超に上る。
これについて岡留健一郎委員(済生会福岡総合病院長)は、「1000万円近くもらっている研修医がいること自体が非常にナンセンス。研修ということと、労働力をはき違えているのではないか」と厳しく批判した。神野正博委員(董仙会恵寿総合病院理事長)は、「当直回数や時間外勤務が多く、過酷な労働があるから元が取れる病院なのかと思う」との懸念を表明。こうした病院に対して第三者が調査を行う仕組みを提案した。
また、基幹型臨床研修病院を中心に協力型臨床研修病院などと構成する「臨床研修病院群」について、現行では「同一の二次医療圏または同一の都道府県内にあることが望ましい」とされていることの是非について議論され、同一地域に限定せず、地域医療研修に活用するよう求める意見が相次いだ。
田中雄二郎委員(東京医科歯科大附属病院副病院長)は、同大では秋田県や島根県の病院でも研修を受けさせていることを紹介した上で、「弾力的に認めていただいた方がよい」と述べた。
研修医の受け入れ実績が2年間ないことで、基幹型臨床研修病院の指定を取り消された病院が、翌年すぐに再申請できることの是非も論点に挙がった。
小森貴委員(日本医師会常任理事)は、「いったん協力型(臨床研修)病院をされて、その実績をもって基幹型に申請できるような運用が考えられるのではないか」と提案。堀田知光座長(国立がん研究センター理事長)もこの仕組みを支持した。
WGでは、12月に開く次の会合で現行制度の課題を取りまとめ、臨床研修部会に報告する予定。同部会では、WGが提示した課題について議論して最終的な方針を決める。