五泉市で希少淡水魚イバラトミヨ(トゲウオ科)の保護活動を続けているNPO法人「五泉トゲソの会」(高橋荘三理事長)は、同市土堀など2カ所の生息地で生息数を調査した。保護池のある同地区で確認されたのは、成魚わずか1匹で、昨年の17匹から大きく減少。絶滅の危機がさらに高まっている可能性が浮き彫りになった。
イバラトミヨは体長約3〜7センチで、清流に生息する淡水魚。生息地は新潟以北とされ、五泉市が南限といわれる。県のレッドデータブックでは絶滅危惧1類に指定されている。背中などにトゲがあることから地元では「トゲソ」と呼ばれる。
生息調査は01年から生息地2カ所で始まった。最も生息数が多い土堀では08年に過去最高の1500匹余を確認した。だが翌09年からは減少傾向が続く。
調査は10月20日、NPO会員や新潟大生ら21人が参加。土堀の水路では約6メートルごとに網ですくって生息数などを調べた。確認できたのは体長約7センチの成魚1匹だった。
同会は近年、夏の猛暑で水温が上昇し、外来種のアメリカザリガニや水生植物コカナダモの大量発生など環境の変化が影響していると分析する。
同会の中村吉則常務理事は「(NPOの)理事会や専門家とも協議し、遺伝子レベルで同系統の水路からトゲソを移すことも検討したい」と話す。
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20121110ddlk15040067000c.html