ブナの凶作による餌不足でクマが多数出没していることを受け、第1回新潟県ツキノワグマ保護管理対策検討会(会長・箕口秀夫新潟大農学部教授)が19日、新潟市内で開かれ、クマが活発な早朝・夕刻に山際に近づかないなど、人身被害を防ぐ取り組み強化策をまとめた。
県によると、クマの出没・目撃件数は17日現在、昨年1年間の182件を上回る404件。市町村別では長岡市68件を筆頭に、糸魚川市52件、上越市34件、魚沼市32件、阿賀町31件と続いた。人身被害も5件6人で、昨年の2件3人を上回った。発生は里山地域に集中し、被害は高齢者が多いのが特徴だ。
検討会では、クマが多く出る場所を記した出没ハードマップの活用と、クマと遭遇しないために1人で農作業やクリ拾いなどを行わない、鈴やラジオ、爆竹など音が鳴るものを携行、農作物や果実は早期収穫し不要な農作物は処分する-を確認。行政や地域に対し、クマが里山に降りにくくする林縁部のヤブ刈り、下草刈りの実施などを求めた。
クマの目撃情報が1080件となった平成18年、1229件となった22年には10月がそれぞれ500件台とピークになり、11月も100件以上、12月も2ケタ台の目撃情報が続いており、県は今後も警戒を呼びかけていく。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/121019/ngt12101919540002-n1.htm