食品に含まれる放射性物質の規制が今年4月から強化されたのを受け、宮城県は3日、今年産のコメの新たな検査方法を公表した。
昨年の検査で比較的高い濃度の放射性セシウムが検出された地域を中心に検査地点を大幅に増やし、よりきめ細かい検査を行うことで、安全性をアピールしたい考えだ。
県が同日、自治体や農業関係者を対象にした大崎市と大河原町での説明会で明らかにした。
昨年の検査は、県内全域で381か所の農地で行ったが、今年は検査地点を9倍の3489か所に増やして実施する。
昨年の検査で放射性物質が20ベクレル未満だった地区では、70ヘクタールごとに1か所の農地で検査を実施。20~50ベクレルか土壌から500ベクレル超が検出された地区では、10ヘクタールごとに1か所で検査する。
50ベクレルを超えた地区とその隣接地区では、全農家の農地で検査を行う。今年の調査で50ベクレルを超えた場合にも、その地区は全戸検査を行う。
さらに、昨年の調査で唯一、100ベクレルを超えた白石市越河の農家は、出荷する全袋を検査する。
農林水産省は今年のコメの検査方法について、昨年の検査で50ベクレル以下だった地区については70ヘクタールに1か所とする方針を示している。県が、国以上に厳しい独自の方針で検査を実施するのは、福島県で昨年、農水省が示した方法に従って検査を実施しながら、JAの自主検査で基準値超えのコメが流通していたことがわかり、風評被害を招いたことが背景にある。
県農産園芸環境課は「昨年より検査にかける労力は増すが、消費者に安心して食べてもらえるよう協力をいただきたい」と話した。
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