若@アルバイト中です。
実際にNPOに関わろうと思い始めてから、関連する本を読んだりしています。
昔は研究者を目指していたので論文や専門書籍はよく読みましたが、最近は
一般向けのものをよく読みます。
そのうち、最近、新書を2冊読んだので、ご紹介いたします。
・島田恒『NPOという生き方』PHP新書
この本は確か、何年か前に日本NPO学会で何らかの賞をとったと記憶して
います。筆者はNPO関連の本をいくつか書いておられます。
本書についていえば、日本社会が「あまりに経済」的な価値観に傾き過ぎ、
そのことがNPOが社会的に登場する背景にある、と書かれています。
ただ、私の感想としていえば、企業や役所への就職でなく、NPOで活動する
という選択をした人の価値観にもっと触れてほしかったと思います。『生き方』
という題名がついているくらいですから、生き方としてどうNPOを選択するよう
になったのか、そのことは最後のほうに少し書かれていますが、もっと全体と
して、そのような内容を期待していました。
内容としては、NPOの整理と登場、期待への背景が中心という印象です。
・斉藤慎『社会起業家』岩波新書
こちらは、環境や人権など世界的に抱えている問題に対して、ビジネスの手法
を用いて解決し、また単にお金を稼ぐだけでなく生き方としても、そのような
社会問題に関わろうとする人たちに焦点をあてた本です。
著者がアメリカを拠点に活動をされているためか、アメリカと日本の事例が中心
となっているのが少し残念ですが、さすが岩波新書から出版されるだけあって、
社会起業とはどのようなものかうまくまとめられているといる印象です。
「企業のNPO化」「NPOの企業化」という言い方は、言い得て妙だと思いました。
個人的には、環境などの問題に関わる事業を中心にしているから「社会」という
言葉を冠することは理解できるのですが、手法としては従来の起業に重なる側面
もあるのだから、「社会」起業という言い方にはちょっと抵抗があります、
また、企業も利益を目的としてはいますが、社会的に信用を失えば存続はして
いけなくなりますので、企業の「社会」的責任という言い方には語義的に違和感
があります。