桑原です。
myskip2月号に掲載してもらった私の記事です。
長女の夢のことを世界で一番かわいいと思っているのは、私でも妻でもなく、夢、本人のようである。
「夢ちゃんかわいいねぇ~」と言うと、「しっているもん!」とかわいくない答えをする。
「結ちゃん(次女)かわいいねぇ~」などと言うものなら、「かわいくないもん。ゆめのほうがかわいいもん」とぶーたれるのだが、「夢の妹の結ちゃん、かわいいねぇ~」と言うと、「そうでしょう」とご満悦になる。
基準はあくまで自分のようである。
夢とスーパーに買い物に行った時のこと、店員から試食を勧められた娘は、その後、小声で「ゆめがかわいこちゃんだからくれた」と言い出した。
やはり、自分が世界で一番かわいいと思っているようである。
夢がこのようになってしまった原因は、私の母にある。
夢を母に預ける度に、娘に「夢は世界で一番かわいいねぇ」と言い続けたからである。
実は、母によって、勘違いをしてしまった被害者は、娘が初めではない。
私の妹も、「世界で一番かわいい」と母に育てられてきた。
そんな妹が、夢の現状を聞いて、烈火のごとく、母に怒った。
妹も小さい頃、自分が世界で一番かわいいと思っていたが、大きくなって、現実を知り、大層落ち込んだそうだ。
親子三代に渡って勘違いをしている桑原一族だが、幸いにして私は、勘違いをしていない。
なぜなら、私の妻は、「私かっこいい人苦手なんだよね」と公言しているからである。
私は妻に言いたい。それは決して褒め言葉じゃないぞ!