桑原です。
myskip08年5月号に掲載した記事です。
娘は私の耳を触ることが大好きだ。
抱っこの時も、お風呂の時も、私の耳をまるで電車のつり革のようにしてつかまっている。
そのために私の耳は、一段と大きく、七福神の新メンバーのような耳になってしまった。
娘なりに耳にはこだわりがあり、冷たい耳が好きだそうだ。
ある時、娘をお風呂に入れてから、寝かせようとした時のこと、いつものように私の耳を触った娘は「ちゅめたいみみがいい」と泣き出した。
いつまでたっても泣きやまないので、私は、冷蔵庫から氷枕を持ってきて、自分の耳を冷やしたのである。
耳を冷やしながら、私は「親馬鹿」なのか、それとも親「が」馬鹿なのか考えたものである。
又、最近の娘の耳好きは度が過ぎている。娘は私の耳を触るだけでなく、なめだすようになったのだ。
「みみのなかにはいりたい」とか「みみになりたい」と意味不明なことを言いながら、娘は、笑顔で私の耳をなめる。
そして、娘は、誇らしげに「わたしはわるいミミマンだ~」と勝利宣言を行うのである。
ここまでくると、娘は、「ミミフェチ」と言っても過言ではなく、私は笑っているわけにもいかなくなった。
そこで、私は娘に真剣に向き合い、「ミミマンはだめ」と伝えた。
しばらくすると、娘は「ミミマン」をやめることを約束して、二人で指きりをした。
「・・・ゆびきった」と言った瞬間、ニヤリと笑った娘は「わたしはちんこマンである」と最悪な改名宣言をしたのである。
そして、お父さんの悩みは今日も尽きない。