笠井です。
エクセルは便利ですね。
表計算とかもいろいろできます。
基本機能で、アウトルックと連動してメールの同報送信までやってのけてしまいます。
あらかじめメールアドレスを登録しておいて、そこに一回命令を与えると、自動的に次から次へとメールアドレスを呼び出してきて、同じ内容の文章をメール送信してくれるのです。
メールアドレスを一つずつ呼び出してはメール送信するという作業を繰り返し行うことになるので、メールが数百通ともなれば相当に時間が掛ってしまうことになりますが、それほど緊急性のない情報であれば、それでもいいとお考えになるのかもしれません。
実は、聞いたところによると、小学校のいくつかがこの方法を使って学校メール連絡網の運用を始めたとのことです。
エクセルを活用したこの方法であれば、当然費用は掛りません。
学校側は、保護者に新たな負担の掛ることを気にして、費用面にばかり神経を使っている様子ですので、そういったことから魅力を感じているのでしょう。
しかし、気を付けてください。
無料だからと安易に導入すると取り返しのつかないことになるかもしれません。
いくつかある落とし穴の内、最も大きな問題となる可能性があるのは「個人情報の管理」に関することでしょう。
少し具体的にご説明したいと思います。
・保護者のメールアドレス情報は、教務室のPCで管理することになる訳ですが、USBメモリやLAN経由で持ち出されれば誰も気がつくことができません。
・PCに保存する危険性を重視してデータをほかの場所に保管すれば、今度は緊急時に機能しなくなる恐れがあります。
・地震や水害などで、教務室内のPCが損壊してしまった場合は、メール連絡網も同時にダウンしてしまうことになります。
等々です。
私どもの調査によれば、数年前、まだ世間で個人情報が云々と言われ出す前のこと、教育センターが教職員に対して行ったPC研修の中で、エクセルとアウトルックを連動したメール配信の方法が説明されたとのことで、当時、学校はメール配信など考えもしなかったので、事態が進展しなかったのでしょうが、ここにきて俄かに電話連絡網の不十分さ、携帯メールを使った連絡網の必要性が叫ばれることとなり、事態が動きだしたようです。
教育委員会に確認したところ、エクセルを使ったメール配信には個人情報保護の点で問題があるということを教育センターも十分に認識しているので、その方法を推奨するなどということは、現在ではもちろん全くしていないということでしたので、
おそらくは以前の研修時に学んだ知識に基づいて、学校の先生自らがエクセルを操って…ということになったのではないか!?と推測しています。
先般、私どもが市P連の協力の下に実施した各学校(小・中)のPTA会長を対象としたアンケートによれば、メール連絡網の導入に関して、PTA会長のほとんどが「個人情報が漏れないか心配」と回答してきています。
個人情報保護に関する問題は、保護者たちの最大の関心事と言える訳です。
エクセル&アウトルックによるメール連絡網は確かに費用が掛からないので、学校側が飛びつきたくなるのも分からないではありませんが、
個人情報漏えいの危険性の高い方法ですので、使わないほうが良いと思います。
もちろん、学校側がそれを十分に認識した上で、しかも、それを保護者に対して包み隠さず公表した上での導入ということであれば、私どもがどうのこうの申すべきことではありません。
ところが、そういった認識も説明もなく、ただ単純に「無料」ということだけで安易に導入したということであれば、後になって大問題に発展する恐れがありますので、保護者のほうから注意してあげる必要があるのかもしれませんね。
このブログを閲覧されている保護者の皆さんで、もしも子ども達が通う小学校でエクセル活用型のメール連絡網の構築が始まったという場合は、すぐに忠告してあげたほうが良いのではないでしょうか?