skymaxです。
梅雨時は星空の見えない夜が続きます。
でも、日本の頭上は雨でも昼間でも、流れ星は実は昼間も絶えず地上に降り注いでいます。
これまでの研究で、流星の正体は僅か数ミリ程度のダストであることがわかっています。
ごく小さい塵が地球の大気圏に突入して、明るく輝くのが、流れ星なのです。
流星はただ光るのではなく、流れた直後は大気圏内に一時的な痕跡を残すことが知られています。
実はこれを利用すると、雨の日でも昼間でも流星を捉えることが可能なのです。
流星によって大気中な発生したミニ電離層にFM放送の電波が反射します。すると、本来受信出来ない地域の放送が一瞬だけ受信出来るのです。
明るい部屋の中で、ザーザーと雑音の流れるラジオを聴きながら、一瞬だけ放送が繋がるのを待って、記録を残す…こんな地味な天体観測もあるのです。
今なら機械で自動的に観測するところですが、私が大学生だった頃は、地道にノイズを聴き続けていました。
ザーザーと雑音を聴きながら、記録をとる…まさに苦痛以外のなにものでもない天体観測でした。
長い前置きはここまで。
今から…年前の大学生の頃です。
私は天文サークルで、仲間と一緒に電波を利用した流星の観測をしていました。
6月は活発な昼間流星群が観測出来るのです。
ノイズの中から、一瞬だけの放送(エコー)を拾うので、観測中は音楽を聴いたりすることはもちろん、私語も控えなくてはいけません。
はっきり言って、1人で長時間はやれません。
ある夜、私は観測当番でサークル棟に泊まりこんでいました。
明け方、私と同期のAがやってきました。
酒に酔って荒れていました。
どうやら彼女に逃げられたようです。
観測中の私に散々愚痴をこぼしながら、夜明けと共に台風のように去っていきました。
ようやく、私の観測当番の時間が終わりに近づきました。
私の次はS先輩でした。
時間ギリギリにようやく現れた先輩…あれ?!…一緒に彼女を連れてきました。
さっきAと別れたばかりのK美でした。
なんだか2人はとっても楽しそう…。
「先輩、今、流星のエコーが聞こえましたよ!」
「えっ? 何か聞こえた?…でへへ」
ダメダコリャ…
せっかく皆で観測したデータを守るため、根がいい人な私は観測を続けるはめになりました。
…そういうわけで、昼間流星群の観測はなかなか大変だったのでした。