11月17日の朝日新聞(全国版)、生活面(30ページ)に私たちの活動のことが掲載されました。
この記者は、先月、私のところへ訪ねてお出でになりましたが、記事内容から、私のところばかりでなく、全国あちこちを取材していた様子が伺える記事となっています。
それでもって、記事の最後は、私の言葉で〆られている形になっています。
全国紙の記事を、私の言葉なんかで〆て、ホントに良いの?って感じています。
記事全文を掲載します。
長いですが、よろしければ読んでください。
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10月10日、水戸市米沢町で、小5女児が、車を止めて近付いてきた男に、「待て!」と追いかけられた。不審者は40代、やせ形、野球帽、車はセダン。
茨城県のHPでは、学校や保護者から通報があった過去3ヶ月分の不審者情報が、一覧表や地図上で見られる。毎月25件前後寄せられる。一番多いのは声掛けで、ほかに痴漢やつきまといなどがある。小学生以下の子どもが「不安を感じた」と確かめられれば、原則、すべて掲載。危険性が高いと判断した事案は、希望者約7千人の携帯電話やパソコンにメールを送る。
不審者情報を公開し始めたのは05年12月だった。その年、栃木県内で連れ去られた小学1年の女の子の遺体が、茨城県内で発見された。茨城県警生活安全総務課は「以前は声掛けの段階で広報すると不安をあおってしまうと思っていたが、誘拐を事前に防ぐには、積極的に情報を提供したほうがいいと判断した」という。
10月18日、ひたちなか市湊中原で、小1女児が、車の運転席から女に「なんで学校終わるの早いの」と声をかけられた。不審者は50代、車は灰色セダン。
子供の感じ方が基準なので、事件性の判断が難しい内容もある。同課は「寄せられた情報を取捨選択するのは難しい」といい、HPには「悪意のない事案も含まれることがある」と断り書きが入っている。
岡山県警は04年からHPで公開し始めた不審者情報の内容を昨年拡充し、今年夏には希望者の携帯電話へのメール送信も始めた。対象は18歳未満の子どもが不安を感じた事案だ。
男児2人が、手をピストルの形にした男から「バキュン、バキュン」と言われた。
女子中学生が、男から「おめえら、いつもうるせんじゃあ」と怒鳴られた。
こうした情報まで公開する理由を岡山県警生活安全企画課は「地域の防犯活動への意識が高まっており、不審者情報を求めている。情報を共有することが大事」と説明する。
警察庁によると、今年月末時点で47都道府県の警察すべてが不審者情報を発信している。HPへの掲載やメール、ファックスでの返信のほか、教育委員会と連携して学校から子どもにプリントを渡す地域もある。
親が情報を発信しているケースもある。NPO法人住民安全ネットワークジャパン事務局長で、新潟県長岡市に住む笠井徳昭さんは3人の子の父親。警察に協力を依頼し、提供された市内の不審者情報を04年からメール配信している。現在の登録者は保護者を中心に約1万人という。
こうした不審者情報のあり方に立正大学の小宮信夫教授(犯罪心理学)は疑問を投げかける。全国の小学校を回り地域安全マップ作りを提唱しており、子どもに犯罪にあわない方法を聞くと「不審者に注意する」という答えが多い。不審者の特徴を質問すると、サングラスやマスク、「変な行動」などと答えが返ってくるという。
小宮さんは「 不審者という言葉が独り歩きし、「人」にばかり目がいっている。地域の防犯活動が盛んになった3、4年前からの傾向」と指摘。子どもの安全に役立てる意味では、「これから犯罪をする人は分りようがなく、気をつけようがない。大事なのは、犯罪にあいそうになな危険な場所を、子どもが自分で判断して避けるべきだ」と訴える。
一方で、小宮さんは外国人や障害者、ホームレスらが不審者扱いされがちなことも気がかりだ。
不審者の情報を受けて県警が情報を掲載しながら、捜査員が確認したら精神障害者だったという事例が、東日本のある県であった。県警の担当者は「近所づきあいが減ったためか、同じ地域に住んでいる障害者を不審者と思ってしまう人もいる」と話す。
長岡市で不審者情報を配信している笠井さんは、情報を受けるだけではダメ」と言う。笠井さんは配信後にできるだけ、「現場検証」をする。発生現場に出向いて、人通りや周りの目、車の駐車しやすさなどを、子どもを狙う側の視線で確かめるのだ。情報を受け取った親たちの判断材料になればと、感じたことをブログに書き込む。
現場で意外な不審者像が見えてくる時もある。女子高校生がカメラを持った男に話しかけられた場所は海水浴場への通り道で、男は観光客ではないかと感じた。小学生が1人でいた家に「教育委員会」をかたる男が訪ねてきたというケースは、営業マンが名乗った教材販売会社名を子どもが聞き間違えたと推測する。
笠井さんは「子どもが知らない人をすぐに不審者と思ってしまうのは、親にも責任がある。不審者情報を材料に、何に気をつければいいかを親は自分で考えて、子どもに伝えてほしい」と話した。