子どもが被害者となる痛ましい犯罪や虐待が全国的に相次いで発生する中、家庭内における親子の関係が、いま問われている。
犯罪に直面した時に、子どもの命を守るのは子ども自身であるから、普段から、家庭内において、子どもの危険回避力を伸ばすための話し合いを行い、対策のお手本を大人が示すなど親子間のコミュニケーションが、従来にも増して重要になってきた。
しかし、その一方で、親子間は、かい離する傾向にある。
子どもたちは、放課後には塾に通い、家に帰ればゲームやネットに興じる。最近では、学校の公式サイトとは別に、子ども達によって立ち上げられた学校内の情報交換を目的に立ち上げられたサイト、いわゆる学校裏サイトが、子ども同士の誹謗中傷やわいせつ画像のやりとりの場となっているとして社会問題化している。子どもによるネット悪用行為は、ほとんどがケータイを使って行われているものであるから、子どもにケータイを買い与えている親は、その責任を自覚するべきなのだが、日々の生活に追われる忙しさから、ネットに関する勉強を自分自身がほとんどすることなく、子どもからケータイが欲しいとせがまれれば、「友達が皆持っているから」「中学生になったら仕方がない」などの根拠のない判断基準にしたがって、いとも簡単に買い与えてしまう。
買い与えた後は、子どもがケータイをどのように使っているのかと分ろうとせず、通信料金面のみを強調し、頭ごなしに指導するだけの親に、子どもは反発し、間違ったネット活用へと踏み出してしまう。
何かがおかしい。