海の事故で命を守るライフジャケット(救命胴衣)の着用が浸透していない。大阪港や神戸港、四国沖などを管轄する第5管区海上保安本部(5管)の管内で今年1~6月、船舶同士の衝突などの船舶事故(5隻)で死亡した6人全員が救命胴衣を着ていなかった。
5管では、救命胴衣をあしらったロゴマークを作成するなど、着用率向上に向けてPR活動を展開している。
5管のまとめでは、船舶事故以外でも、今年上半期に船から誤って海に転落した13人のうち、死亡・行方不明になった11人が着用していなかった。また、釣り人で海に落ちた12人のうち、着ていたのは3人だけだった。
救命胴衣の着用は法律では努力義務にとどまっている。今年のゴールデンウイーク(4月27日~5月6日)に行った着用率の調査では、磯場では76%と高かったが、岸壁は18%と低く、一人乗り小型漁船でも40%にとどまっていた。
5管では、着用率向上に向け、啓発用ロゴマークを考案。赤い救命胴衣のマークに、「着けてて よかった」との文字を添えた。救命胴衣と重なる文字を拾い上げると「着けよか」とのメッセージが浮かび上がるデザインとした。
この他、実際に救命胴衣を着用してもらい、効果を感じてもらうイベントも開催している。5管の森直樹・救難課長は「ライフジャケットはいざというとき命を救ってくれる。自分の命は自分で守る、という意識を高めてほしい」と話している。(中谷圭佑)
読売新聞
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