金沢市広岡1のホテル「アパホテル金沢駅前」で31日午後、従業員用エレベーターの内部の床と、エレベーター入り口ドアの上部枠との間に石川県能美市福岡町、パート清掃員、前多外志子さん(63)が挟まれ死亡した事故で、石山雅彦・東海・北陸地区統括支配人が同日夜、同ホテルで記者会見し、ホテル内には事故を起こしたエレベーターの他、宿泊客用のエレベーターが3台あるが、いずれも保護装置は設置していなかったと明らかにした。
エレベーターはいずれも「シンドラーエレベータ」社(東京)製。事故を起こしたのは、17人乗りで、最大積載量は1150キロ。エレベータードアの間口は縦2.1メートル、横1メートルで、エレベーターのかごは幅1.8メートル、高さ2.3メートル、奥行き1.5メートル。
同社製のエレベーターを巡っては、06年に東京都港区内のマンションで、都立高2年の男子生徒(当時16歳)がエレベーターから降りようとした際、扉が開いたまま上昇して体を挟まれ死亡する事故が起きている。同種の事故は他社製のものでも発生し、国土交通省は建築基準法施行令を改正して09年9月から、ドアが開いている状態で動き出しても自動的に停止する「戸開走行保護装置」の設置などを義務付けた。
ただ、事故を起こしたエレベーターは98年1月に同ホテルに設置されている。
シンドラー社のフィリップ・ブーエ社長と大月通明代表取締役は全国の同社製エレベーター約5500台を点検することを明らかにした。
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