オレオレ詐欺などの特殊詐欺被害を防止しようと、県警が電話で高齢者らに注意を呼びかける「コールセンター事業」を始めた。警察が詐欺グループから押収した名簿の登載者など4万人を対象に、被害の実態や対応策をオペレーターが優しく伝え、電話を受けた高齢者には、おおむね好評のようだ。
「家族間で合言葉を決めておいたり、留守番電話にしておいたりするのも効果的ですよ」
新潟市中央区のNTTソルコのコールセンター。県警から業務を委託された同社のオペレーターが、捜査過程で入手した名簿登載者やNTT東日本のハローページから65歳以上と思われる人を対象に1日当たり約1500人に電話をかける。
県警作成のマニュアルに添って、県内の被害状況を説明。自分の息子をかたる相手が携帯電話の番号を変えたと伝えてきた場合、必ず元の携帯番号に連絡を入れて本当かどうか確かめるように、といった被害を防ぐポイントを伝える。
特殊詐欺対策として、消費者庁の地方消費者行政活性化交付金1160万円を活用。3月末までに4万人全員に電話するとともに、はがきも送ることにしている。
同社によると「別の事業で平日に電話をかけると在宅率は30%を切るが、県内高齢者は47%と高く、つながりやすい」そうだ。「電話を受けたお年寄りから感謝されることが多い」とも話す。
県警生活安全部によると、昨年の特殊詐欺被害は164件で前年比13件増。被害額は9億4132万円(前年は8億5117万円)と過去最悪だった。被害者は65歳以上が62・8%を占め、オレオレ詐欺に限ると86・4%になる。
青木勝彦生活安全部長は「特殊詐欺は家族や親族を思いやる気持ちを踏みにじる悪質な犯罪。被害に遭わないために抵抗力をつけてほしい」と呼び掛けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140123-00000098-san-l15