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お年玉」で始める金銭教育 お小遣い、不足しても与えない

「お年玉」として子供がまとまったお金を手にするお正月。親が全額預かったり子供に全てを任せたりするのではなく、親子で話し合って使い道を決めよう。子供がある程度成長していれば小遣い帳を渡し、金銭教育を始めるチャンスでもある。(竹岡伸晃)

◆「意味」と「使い方」

川崎信用金庫(川崎市川崎区)が今年1月、川崎市全域、横浜市と東京都の一部で行った調査によると、今年の正月に子供たちが手にしたお年玉の平均は2万6035円。低学年(1~3年生)の平均は2万1480円、高学年(4~6年生)では3万964円だった。

「金銭教育を子供の頃から受けておけば、収入の範囲内でやりくりする力が身に付き、大人になっても困らない」。NPO法人「おかねの楽校(がっこう)」(千葉県松戸市)理事長のファイナンシャルプランナー、安江巧さんは、こう力を込める。同法人では、すごろく形式の「おこづかいゲーム」や地元の祭りでの屋台経営を通じて小学生に金銭教育を行っている。

金銭教育の目的は、「お金の意味」と「賢い使い方」を理解させること。お年玉は習慣化しているが、安江さんは「なぜもらえるのか、子供に考えさせてほしい。感謝の気持ちが生まれるはず」。

そのうえで、全体の金額が大きい場合、子供名義の通帳を作って一部を親が管理する。一方的に取り上げるのではなく、子供と話し合い、「大学進学のために積み立てよう」などと目的を共有することが重要だ。

残りを、(1)やりたいこと、買いたい物のためにためる「夢貯金」(2)急な出費に備えるための「もしも貯金」(3)今欲しい物を買うための資金-に分ける。(1)~(3)の配分は親子で話し合って決め、(1)は本人名義の口座に、(2)は卓上の貯金箱に入れてもいい。例えば、「海外にホームステイしたい」といった夢が子供にある場合。方法や必要な資金について話し合い、「夢貯金」でためる努力をさせる。不足分を援助してやれば、親に感謝して本気で勉強するだろう。

◆不足しても与えない

安江さんは「小学3、4年生以上であれば、小遣い帳を持たせ、お年玉や毎月の小遣いを管理させては」と提案する。

小遣い帳には収入(小遣いなど)と支出(買い物や預貯金など)を記録する。安江さんの家では、子供が中学以降、通学定期代や携帯電話代、部活の遠征費、文房具類の購入費なども小遣いに含めて渡していたという。小遣いの額や賄う範囲は親子で話し合って決める。

毎月の小遣いも、一部は夢貯金、もしも貯金としてためることが望ましい。収支の記録は月1回、親がチェックした方がいいが、使途について「無駄遣い」と決めつけないことが大切。親から見れば無駄でも、子供にとって必要な支出もある。ただし、小遣いが足りなくなっても追加で与えることは避ける。足りなくなった原因を本人に考えさせ、気づかせるためだ。

安江さんは「失敗も大事な経験。買い物をする際、『本当に欲しいのか、必要なものなのか』と考えるようになる」とアドバイスしている。

■お小遣い帳は自作でも

お小遣い帳はノートやパソコンで自作してもいい。金融広報中央委員会(東京都中央区)のウェブサイト「知るぽると」(http://www.shiruporuto.jp/)には子供向けの「おこづかいきろく」があり、データを取り込んで印字して使う。収支の金額や理由、残額を時系列で記録でき、担当者は「何に使ったか分からないお金があったり、収支が合わなかったりしても続けることが大事」とアドバイスする。

コクヨS&T(大阪市東成区)が販売している「おこづかい帳」(94円、157円)は「正月を前に販売は伸びている」(同社)という。

 

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