家計を圧迫するのが大学の授業料などの教育費。そこで注目したいのが、返済が不要な「給付型奨学金」。民間の企業や財団のほか、最近では大学が独自に導入するケースが増えている。
「生命保険文化センター」(東京都千代田区)の平成22、23年度調査によると、自宅通学で国立大学に4年間通った場合、入学金や授業料、生活費などの1人当たりの教育費は平均約511万円。私立文系は約671万円、私立理系では約803万円。1人暮らしとなると、さらに数百万円が余計にかかる。
世帯収入が低いほど大学進学率が低下する傾向にある。しかし、返済が不要な給付型奨学金を使えば進学も可能だ。
子育て世代の家計アドバイザーでファイナンシャルプランナー、北村きよみさんは「大学奨学金には貸与型と給付型があるが、給付型があることを知らない人が多い。インターネットなどで情報がたくさん見られるので、ぜひ調べてみてほしい」と話す。
◆予約型も
給付型奨学金の運営主体は民間企業や財団などで、運営主体によって応募条件や給付額などは異なる。応募方法は高校や大学を通じて、または希望者本人が直接応募するケースがある。いずれも家計の経済的状況や成績、人物などで給付を考慮される。
最近では、高校在学中に受験予定の大学に奨学金を申請し、合格し実際に入学すれば授業料免除や奨学金支給が得られる「予約型の給付型奨学金」も増えている。
◆大学も導入
近年は給付型奨学金を導入する大学も増え、種類も豊富になっている。
「リクルートマーケティングパートナーズ」(同)の23年11月の調査では、全国の約8割の大学で給付型奨学金を導入している。
早稲田大学(新宿区)によると、学部と大学院を対象にした独自の学内奨学金は約100種類あり、全てが給付型奨学金だ。
日本学生支援機構や民間の奨学金などとの併用が可能で、(1)成績優秀(2)家計の経済的状況-などの各条件により給付。年間約6600人が受給している。
慶応大学(港区)では学部・大学院が対象の独自奨学金は67。成績優秀者や家計困窮者、地方出身者用のほか、海外での学習支援などさまざまなタイプがある。年間約2600人が受給している。
北村さんは「極端に成績が優秀でなくても、家計が苦しくなくても受けられるタイプのものもあるので、よく調べてみて」と話している。
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