創立から30年目を迎えた新潟清酒学校(新潟市中央区)は6日、新潟市内のホテルで記念式典を行った。県内酒造会社の若手社員が酒造りの技術を学ぶ同校は、これまで約450人が卒業、約30人の越後杜氏(とうじ)が誕生し、県内酒造業の発展に貢献してきた。健康ブームでアルコール離れが進み「国酒」と呼ばれる日本酒の製造量は最盛期の3分の1以下に落ち込んでいるが、在校生らは学んだ成果を今後の酒造りに生かすことを誓った。
新潟清酒学校は昭和59(1984)年、杜氏など酒造技能者の後継者不足を先取りする形で県酒造組合が全国に先駆けて設立した。
蔵元からの推薦者だけが入学を許可され、働きながら年間約100時間学び、3年間で卒業する。卒業生は県内の各酒造会社の中核として第一線で活躍している。
この日の式典には県内外の酒造業関係者ら約300人が出席。山下進校長(新潟銘醸常務、小千谷市)が「先輩たちが築き上げた伝統を継承し、新たな技能者の育成に向け努力を重ねたい」と式辞を述べた。
在校生を代表して30期生(1年生)の向田絵梨子さん(28)=麒麟山酒造営業部、阿賀町=が「3年間、同期生とコミュニケーションを取りながら切磋琢磨(せっさたくま)し、これからの清酒造りに貢献していきたい」と力強く語った。
向田さんは山形県白鷹町出身。新潟大学で新潟の食文化を学んだのがきっかけで酒造会社に興味を持ち、味が好きだった麒麟山酒造に入社したという。送り出した斎藤俊太郎・麒麟山酒造社長は「いい酒造りのため頑張ってほしい」と期待を込めた。
式典に出席した原酒造(柏崎市)の原吉隆社長は「これからもおいしい酒を造っていきたい」と思いを新たにしていた。
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