「脳を鍛える」脳トレ。基本となるのは実は「しつけ」ってホント?
脳には「ワーキングメモリー」という機能がある。この機能を鍛えることで、思考力やコミュニケーション力などを磨くことができるという。子どもの脳の「ワーキングメモリー」を日常生活の中で鍛える方法を、脳科学の専門家、諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏に伺った。
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「脳を鍛える」。基本となるのは実は「しつけ」です。「ご飯の前に手洗いをする」「遊び終わったら片付けをする」、こうした行動は自分をコントロールする必要があります。自分の欲求をがまんし、脳にメモしてあったルールに従って行動することは、前頭葉を鍛える基本のトレーニングです。生活習慣をしっかり身に付けさせることが、脳を鍛える基本です。それを踏まえて、今日から実践できる脳トレをご紹介します。
●コミュニケーション
コミュニケーションは、脳のメモ帳を盛んに使います。相手の気持ちを感じ、空気を読む情報処理力が必要なため、前頭葉が活発化するからです。その日学校であった出来事や、そのとき自分がどんな気持ちだったのかを聞いて自己観察させたり、友達の気持ちを想像させたりすると、ワーキングメモリーを鍛える良いトレーニングになるでしょう。
●手を使った作業
前頭葉を鍛えるうえで大切なのは、手を使って細かい作業をさせること。たとえば、野菜の皮むきは、ピーラーよりも包丁を使うほうが、脳が活性化することが実験から明らかになっています。ぜひ家事など、手を使ったお手伝いをさせましょう。
●「努力」をほめる
小学生時代は、ワーキングメモリー機能が特に発達する時期です。子どもの脳を伸ばすためには、努力をほめることが効果的と、研究から明らかになっています。子どもの努力をどんどんほめましょう。
同じ実験を行っても、人それぞれ反応は違います。誰でも同じように成長する方法などありません。こうしたトレーニングも、肩の力を抜いて、楽しみながら実践していただければと思います。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/benesse-6458.html