原発事故のあと、上水道に水を取りこむ際に出た放射性物質を含む汚泥が糸魚川市のセメント会社で再利用されることになり、9日、新潟市などからセメント会社の工場に汚泥が搬入されました。
新潟市南区の戸頭浄水場では、9日午前、トラック3台にあわせて30トンの汚泥を積み込む作業が行われました。
原発事故のあと、県内各地の浄水場では水を取り込む際に出た放射性物質を含む汚泥がたまり続けています。
このうち、放射性セシウムの濃度が、安全性に問題がないとされる、1キログラムあたり100ベクレル以下の汚泥を、糸魚川市のセメント会社2社が原料として再利用することになりました。
汚泥を積み込んだトラックは、周辺の空間の放射線量を測定して安全性を確認したうえで、順次、糸魚川市に向けて出発しました。
汚泥の運び出しに立ち会った新潟市水道局浄水課の田近久志課長は「汚泥はたまり続けているので、ほかの浄水場についても順次、汚泥の搬出を進めたい」と話していました。
汚泥を積んだトラックは、9日午後1時ごろ糸魚川市青海の電気化学工業青海工場に到着しました。工場の入り口では、糸魚川市の担当者らがトラックのまわりの空間の放射線量を測定し、ふだんと変わらないことが確認されたあとトラックは工場の中に入っていきました。
運び込まれた汚泥は、セメントの原料に混ぜて加工する工程で使われるということです。
汚泥を受け入れた、電気化学工業青海工場総務部の三宅憲雄部長は「汚泥を受け入れることで、社会貢献ができよかったです。問題なく処理できると確信しています」と話していました。
一方、9日は長岡市の汚泥も糸魚川市上刈の明星セメント糸魚川工場に運びこまれましたが、こちらも放射線量に問題はなかったということです。
放射性物質を含んだ汚泥は、今後、順次、運び込まれる予定で、糸魚川市では放射線量の測定を続けて、結果をホームページで公開することにしています。
糸魚川市市民部の吉岡正史部長は「今後も放射線量を定期的に測定し、安全を確保していきたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034634941.html?t=1357748987835