ADHDやアスペルガー症候群などで知られる「発達障害」。子どもと接する活動をしているためなのでしょうか、「発達障害」に悩むお母さん達と本当によく出逢います。
先日は、幼稚園の面談で子どもがあまりに落ち着きがないため入園を断られたというお母さんとお会いしました。その落胆ぶりたるや相当なもので、お母さん自身のサポートが必要だと感じました。
理解が進んていない「発達障害」
しかし、まだまだ「発達障害」への社会の理解は不十分ですし、そういった子どもを持つ保護者へのサポートも少ないのが現実です。結果、家族は孤立し、子どもは社会にも、家族にも理解されないまま、本来の持っている力を発揮できないまま成長して行くことが少なくありません。
「発達障害」は、その定義や障害種別に関して必ずしもまだ確立されているとはいえませんが、日本の発達障害者支援法(平成17年4月1日施行)においては次のように定義されています。
『自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの。』
最近の調査によると、自閉症・広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害といった特別な配慮が必要な子どもたちの割合は、公立小学校において約6%と言われています。6歳児の人口は約60万人。つまり、小学1年生だけをとっても、全国で3万人以上が何らかの特別なサポートを必要としていることになります。また、大人でも105万人がADHDとの推計が出されるなど、最近、「発達障害」に悩む人が増加していることは間違いがなさそうなのです。
「発達障害」の問題点
「発達障害」で問題になるのは、障害自体に留まらない点です。障害に気づかない、あるいは気づいていても適切な支援を受けることができないと、失敗などの経験がどうしても多くなります。その結果、「自分は何をやっても駄目だ」と自尊感情の低下につながったり、あるいは、そのまま成長して、「風変わり」「努力不足」といった人物評に悩み、人間関係につまずき、大きな生きづらさを抱え、うつ病などの二次症状に悩む人もいるのです。
つまり、できるだけ早い段階で適切な支援や教育を受けることが、障害を持った子どもの人生を決定付けるとも言えるのです。そうした理由から、発達障害など、特別な支援を必要とする子ども達に向けた特別なカリキュラムを提供する企業も出てきています。
民間企業による発達障害児向けのカリキュラム
四谷学院(ブレーンバンク株式会社 非上場)は「だれでも才能をもっている」という基本理念のもと、特別な支援を必要とする子ども達に向けた療育プログラムを、自閉症児への独自の教育ノウハウで定評のある「武蔵野東学園」の協力の元で提供しています。
その独自の療育プログラムが、家庭で保護者が取り組める「療育55段階プログラム」。就学前の子どもは、特に家庭で過ごす時間が多く、家庭での療育こそ重要であると考えたため、このプログラムは通信教育形式をとっているそうです。
1回の学習はたったの10分~15分で、一日2~3回、子どものペースで自由に取り組めるようになっていることも特徴です。受講者は「武蔵野東学園」による「電話指導」も受けられるそうですから、孤独になりがちな家族にとっても心強いことでしょう。
また、進研ゼミ(ベネッセホールディングス株式会社)は、「チャレンジ」を受講している障がいがある子どもを持つ保護者向けに「発達障害支援サイト」を立ち上げています。
「発達障害支援サイト」(外部リンク)
内容は、会員向けの学習アドバイスや、体験者インタビュー、体験レポートとシンプルですが、周囲に相談すべき適切な理解者がいないことが多い障がいを抱えた保護者には頼りになる存在になることでしょう。
発達障害は、苦手分野をフォローするなどの配慮があれば十分に能力を発揮できる可能性もあるそうです。中には、記憶力にたけ、数字や文字に強かったり、創造的な仕事で成功を収められる場合もあると言いますから、早く特性を見極め、活かしていくことが大切です。
http://news.infoseek.co.jp/article/kmonos_2013_01_c011