8年前の新潟県中越地震では避難生活で足に血の固まり=血栓ができて、肺につまるエコノミークラス症候群と診断される人が相次ぎましたが、その後も毎年行われる検診で、血栓を抱えたままの人が10%程度確認されていることが新潟大学の研究グループの調査でわかりました。
エコノミークラス症候群は狭い場所で長時間、体を動かさないことでできた血栓が肺動脈につまるもので、呼吸困難を引き起こしたり最悪の場合、亡くなることもあり、中越地震では患者が相次ぎました。新潟大学医歯学総合病院の榛沢和彦医師の研究グループでは地震の直後から毎年、被災地でエコノミークラス症候群に関する検診を続けています。
地震直後の検診では、全体の36%の人に血栓が見つかり、その後、減少しましたが時間がたっても
10%程度の人は血栓を抱えたままだということです。
去年は検診を受けた1200人あまりのうち8%にあたる、およそ90人に血栓が見つかり、被災地以外の地域のおよそ4倍に上ったということです。
榛沢医師は「避難生活で一度、血栓ができるとなかなか消えることはない。地震から時間がたってもリスクを抱えなければならず予防のためには避難所の環境を変えることが必要だ」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1035991901.html