東日本大震災の被災地を支援するため、県内初の震災廃棄物の試験焼却が11日、柏崎市クリーンセンターかしわざきと三条市清掃センターでスタートする。両センターには10日、岩手県大槌町の木くずなどの木質系震災廃棄物が仮り置きされたJR貨物南長岡駅(長岡市)から搬入が始まった。震災廃棄物の受け入れを表明している新潟、長岡、新発田3市の担当者や住民らが見学に訪れ、搬入された木くずの空間放射線量率の測定作業などを見守った。
三条市清掃センターには午後4時半ごろ、専用車に積まれた震災廃棄物の入ったコンテナ1台が到着。コンテナの空間放射線量率を測定した後、木くずをプラットホームに広げ、放射性セシウム濃度などを検査するためのサンプルを採取、遮蔽線量率を確認した。作業終了後、木くずはピットに投入された。11日夕まで一般可燃ごみと攪拌(かくはん)して均質化した後、焼却炉に移され、試験焼却が始まる。
クリーンセンターかしわざきでもこの日、コンテナ2台が到着。同様に作業が始まった。
三条市清掃センターでは最終処分場に近い下大浦地区の60代の男性が持参した線量計で放射線量を確認。「家の周りと変わらない。安全が確認されるなら(受け入れに)協力せざるを得ないが、(焼却後に)凝縮されるとどうなるか、不安はある」と話していた。
試験焼却される震災廃棄物は三条市は13トン、柏崎市は10トン。可燃ごみとの混焼率は5%と6・7%で、三条市は13日、柏崎市は12日に終了する。
三条市の国定勇人市長は「事前に実施した震災廃棄物の放射性セシウム濃度は5市で定めた受け入れ基準(1キロ当たり100ベクレル以下)を満たし、安心して持ち込めるレベル。試験焼却の結果は広く公表し、市民の不安の払拭を図りたい」と話し、本格受け入れに理解を求めた。
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