振り込め詐欺など特殊詐欺の被害を未然に防ごうと、岐阜県警は13日、県内全ての金融機関と協力し、高齢者が県内の金融機関窓口で高額の現金を引き出す場合、原則として全て警察に通報してもらう取り組みを始めた。「全件通報」は北海道、福岡県に次いで全国で3例目。
対象は、県内に本店、支店がある金融機関の1167店舗。明らかに特殊詐欺ではないと判断される場合を除き、高齢者が数百万円以上を引き出す際は全て通報してもらう。受理した警察署から警察官が出向き、高齢者に事情を聞いて被害に遭っていないか確認する。
全件通報は、岐阜北署、北方署、揖斐署が昨年12月から先行して実施。9月末までに詐欺の疑いがあるとして計12件、5050万円分の被害を食い止めており、「一定の効果があった」(県警)として県内全域に広げる。
13日には、県警の森泉生活安全部長が、県金融機関防犯連絡協議会会長の代理として出席した岐阜銀行協会の杉山豊専務理事に全件通報を依頼する要請書を手渡した。森部長は「特殊詐欺の被害は極めて深刻な状況。被害防止とともに、防犯意識を高めていきたい」、杉山専務理事は「お客さまの大切な財産が奪われるのを水際で防ぎたい」と話した。
県内の昨年1年間の特殊詐欺被害は、285件、約12億8千万円と過去最悪だった。
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