自らの健康を保とうとする意識は自然と身に付くものではなく、家庭での健康教育が重要だ。保護者はどのような点に気を付けて、子どもに接すればよいのだろう。ベネッセ教育情報サイトでは、元養護教諭で「幼児期からの健康教育が大切」と語る、帝京短期大学教授の宍戸洲美氏に話を伺った。
私が保護者のかたに大切なこととしてお伝えしているのは、「しっかり食べる。たっぷり眠る。外で群れて遊ぶ。安心してかかわれる大人がいる」の4つです。共働きで忙しく「子どもの朝食を菓子パンで済ませてしまう」「塾で帰宅が遅いため就寝も遅くなってしまう」など、事情があることはわかります。しかし、小学校卒業までは子どもの生活リズムを整えることが大切だということを、理解していただければと思います。
幼児期や小学校低学年では、子どもは親の様子を見てまねますから、行動で示すことも重要です。保護者が帰宅後に手洗いうがいをすれば、子どももそれが普通なのだと認識します。行動で示しながら、「なぜそれをするのか」も説明しましょう。たとえば、「夜たくさん寝ると体や脳の疲れが取れるよ」と教えます。早寝早起きをした時には「体の調子はどう?」と聞いて、自身の感覚を確認させてください。体調がよければ、たくさん寝ることはいいことだと理解するでしょう。自分でできることが多くなる、小学校中学年以降も、「今日はうんち出た?」などと、時々は様子を確認しましょう。
なぜ朝食をしっかり食べたほうがよいのか、喫煙にはどのような害があるのかなど、健康に関することを子どもに説明できるよう、保護者のかたも学んでいただきたいと思います。また、ご自身の生活習慣にも気を付けましょう。たとえば、子どもだけで食事をさせる家庭がありますが、家族と食事をすることで、子どもはよくかんで食べることや好き嫌いをせず食べることを学びます。保護者が習慣を見直すことで、子どもの健康に影響を与えることがたくさんあるのです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00010002-benesseks-life