日本列島に長く停滞する前線により、長雨が続いている日本列島。8月の日照時間は例年と比べて半分近くまで落ち込むなど、まるで梅雨のような気候が続いています。また現在、台風17号・18号が接近しており、東日本の太平洋側を中心に大雨が予想されています。日本の秋といえば台風の発生はつきものですが、こう毎日雨が続くなかで台風に直撃されると、気分が滅入りますよね。台風による荒天の際は、豪雨や強風による被害に加えて、「眠気」や「ダルさ」などの体調不良を訴える人も多いようです。これはなぜなのでしょうか。
台風とは、「北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のもの」と定義されています(気象庁)。
つまり、台風とは「強い低気圧」のことを指すわけですが、実はこの「低気圧」が荒天時の体調不良には大きく関わっています。
人間の循環器や呼吸器、消化器などを調整する自律神経には、下記のように「交感神経優位」と「副交感神経優位」の2つの状態があります。
・交感神経優位…興奮、覚醒、血圧や心拍数の上昇
・副交感神経優位…リラックス、消化吸収の促進、血圧や心拍数の低下
おおまかにいうと、交感神経優位のときはカラダが「お仕事モード」に、副交感神経優位のときは「おやすみモード」になっている状態です。通常、人間のカラダは晴天で高気圧のときは「交感神経優位」に、雨や曇りで低気圧のときは「副交感神経優位」になるようにできています。
台風などの荒天のときには、カラダが低気圧の影響で「おやすみモード」になっているため、「眠い」「ダルい」といった症状を訴える人が増えるようです。できることなら、こうした天候のときは「カラダを休める時期」と割り切って十分な休息をとりたいところですが、こう毎日荒天続きだとそうとも言っていられません。
そこで、こうした気圧の変化が激しい時期を健やかに乗り切るために、最低限守りたい3つの条件をあげておきます。
1.ストレスをためない
2.十分な睡眠を取る
3.適度な運動をする
また、体調が悪いときは呼吸も浅くなりがちなので、「鼻から吸って、口からゆっくり吐く」腹式呼吸で、深い呼吸をすることを心がけましょう。腹式呼吸のポイントは、吐く動作に意識を集中して「息を吐ききる」ことです。
眠気やダルさで「やる気がでない」というときこそ、深い呼吸とともに軽いストレッチやヨガをおこなってストレス解消!短い時間でも効果はあるので、適度な運動を生活に上手に取り入れて、体調の維持、回復を目指しましょう。
<監修>
岡本良平(医学博士 東京医科歯科大学名誉教授)
Mocosuku編集部
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