福島県は今年度から、東京電力福島第一原発事故による放射線被曝ひばくの影響で子供の甲状腺がんが増えたかどうかを推定する研究を始めると発表した。
事故当時、18歳以下だった全県民を対象に県が実施している甲状腺検査の結果を活用し、県内の地域ごとに甲状腺がんの発症率に差があるかどうかなどを確認する。
同日、福島市で開かれた医療関係者らによる県民健康調査の検討委員会で県が明らかにした。県立医大に委託し、一部の結果は今年度中にまとまる見通し。費用は同調査の今年度の事業費約60億円から捻出する。
既に終了した1巡目の甲状腺検査を受けた約30万人のうち98人が甲状腺がんと確定。推定発症率より高かったが、放射線の影響を受けやすい乳幼児では発症が見られず、一部の研究者は全員への検査が、がん発見の確率を上げたと指摘し、詳細な分析を求めていた。
検討委では、実施中の2巡目の検査で、6月末時点で甲状腺がんと確定した人は1人増の6人、疑いも含めると10人増の25人となったことも報告された。
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