[ カテゴリー:生活, 社会 ]

高齢者でトラブル多発!IP電話に関する相談が増加しています

近年、IP電話が急速に普及し、すでに固定電話利用者の約6割がIP電話となっています。便利に利用される一方、全国の消費生活センターには、IP電話に関する様々なトラブルの相談が寄せられ、2014年度の相談件数は、2010年度の約2倍となりました。

相談の内訳をみると特に70歳以上、次いで60歳代からの相談が多く、その内容は「電話勧誘で利用料金が安くなると言われたのに安くならなかった」、「契約した覚えがないのに契約されていた」等の勧誘や契約に関するトラブルをはじめ、「これまで利用していたサービスが利用できなくなってしまった」等、契約した後のサービス利用に係るトラブルも寄せられています。

そこで、最新の相談事例を紹介し、トラブルの未然防止、拡大防止の観点から消費者に注意を呼びかけるとともに、関係機関へ要望、情報提供を行います。

図 相談件数の推移
2010年度から2015年度の年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
(2015年8月10日までの登録分)

2010年度の相談件数は1,538件、2011年度は1,613件、2012年度は2,588件、2013年度は2,426件、2014年度は3,282件、2015年度は893件です。

 

相談事例

【事例1】
料金が安くなると言われIP電話を契約したが安くならなかった
【事例2】
電話勧誘を受けて資料送付を依頼しただけなのに契約したことになっていた
【事例3】
訪問販売でIP電話等を契約した後、高齢者対象の行政サービスである“緊急通報”が利用できないことが分かった
【事例4】
IP電話を契約した後、家族に反対されたのでクーリング・オフしたい
【事例5】
高齢で独り暮らしの母宅の電話が急につながらなくなり困惑した

 

相談事例からみる問題点

  1. 不意打ち的な勧誘等により、消費者は契約先や内容等を正確に理解せず契約している場合がある
  2. 消費者は従来のアナログ固定電話とIP電話の違いを正確に認識しないまま契約している 場合がある
  3. 電話勧誘等で契約した場合、消費者はクーリング・オフができると思っている場合がある
  4. 特に高齢者のトラブルが多発している

 

消費者へのアドバイス

  1. 勧誘されてもすぐに事業者に返事をせず、家族等と一緒に契約内容等を確認しましょう。 また、必要がなければ、きっぱり断りましょう
  2. 価格だけでなく自分の利用環境や目的に照らして必要性を十分に検討しましょう
  3. 通信事業者から届いた書面は中身をきちんと確認しましょう
  4. 常に十分なセキュリティー対策を講じる必要があるという認識を持ちましょう
  5. 不安に思った場合には、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう

 

要望

IP電話の利用者増加や利用者層の広がりを踏まえ、市場の健全化および消費者トラブルの未然防止、拡大防止のため、以下の点を要望します。

【電気通信サービス向上推進協議会】
「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン」に基づき、IP電話の販売勧誘等を行う電気通信事業者等が、消費者、特に高齢者に対して、サービスの特性や注意点等を十分に理解した上で、主体的に選択ができるよう丁寧な説明を行うことを加盟事業者に周知徹底することを要望します。
【総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課】
電気通信事業者等に対し、IP電話の販売勧誘等を行う際は、消費者、特に高齢者が自分にとって必要かつ適切なサービスかを選択できるよう、サービスの特性や注意点等について説明が徹底されるよう指導することを要望します。また、高齢者におけるトラブルが多いことを踏まえた法制度の検討を望みます。

 

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 内閣府 消費者委員会事務局
  • 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
  • 警察庁 生活安全局 情報技術犯罪対策課
  • 総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 情報セキュリティ対策室
  • 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課
  • 一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会
  • 独立行政法人情報処理推進機構

 


本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150827_1.html

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