日本の小中学校の給食で、毎日のように出される牛乳。しかし、食育の一環として完全米飯給食を実施している新潟県三条市が、その廃止を検討しています。
同市では学校給食を「生きた教材」「食べることを学ぶ時間」と捉えており、2008年4月からパンや麺類を出さない完全米飯給食を実施しています。消化吸収の緩やかなご飯のほうが日本人の体質に合っていること、油や脂肪分の少ない和食メニューの機会が増えることなどがその理由です。
昨年12月には、関係者や保護者から「ご飯と牛乳は合わない」という声が上がっていたことから、4カ月間、学校給食での牛乳の提供を試験的に停止しました。4月には再び牛乳が登場するようになったものの、現在、同市は給食から牛乳を廃止することを検討しています。
この件について、三条市教育総務課に電話取材したところ、牛乳廃止を検討しているのは、やはり完全米飯の学校給食と牛乳が合わないことが大きな理由のひとつだそう。すでに教育委員会事務局による案が作成されており、今後、学校給食委員会などに案を提出し、審議を行う予定です。
試験的に牛乳を廃止していた期間は、ご飯やおかずの量を増やしたり、小魚や煮干し粉などカルシウムの豊富な食材を利用したりして、牛乳がなくても栄養をしっかり摂取できるよう対策を行っていました。しかし牛乳の代わりにカルシウム、ビタミンB2などを摂取できる食材を用意しなくてはいけないというデメリットもあり、給食とは別に学校で牛乳を飲む「ドリンクタイム」を設けることも考慮しています。
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