先週、新潟県内のイベントで提供されたカレーライスを原因とするウェ
ルシュ菌食中毒が発生しました。(6月15日発表、患者数19人)
ウェルシュ菌については、このメールマガジンでも特徴をお知らせして
いますが、今一度おさらいしてみましょう。
ウェルシュ菌は、人や動物の腸の中、土壌、下水に広く生息しており、
酸素がないところで増殖します。また、「芽胞(がほう)」と呼ばれる熱
に強い状態に変化すると、100℃の加熱でも生き延びることができます。
カレーやシチューのような煮物料理を大鍋で調理すると、加熱中に空気が
抜けやすく、料理自体が持つとろみの影響で空気が入りにくく、十分に煮
込んで他の菌が死滅してもウェルシュ菌は生き残ることができます。つま
り、煮物料理はウェルシュ菌にとって、酸素もない競争相手もいない快適
な環境となりやすいのです。
ただし、熱に強い「芽胞」状態でウェルシュ菌は増殖することができま
せん。温度が下がってくると増殖を始め、45℃前後が一番増殖に適した温
度です。
このことから、料理は熱いうちに食べてしまうことがウェルシュ菌食中
毒の有効な予防法となります。
残ったものは小分けにして早く冷やし低温で保存しておき、食べるとき
にかきまぜながら十分加熱させることが重要です。煮物料理であれば沸騰
していることを確認しましょう。
ウェルシュ菌食中毒は季節を問わず発生し、大量に調理したときに起こ
りやすいため、食中毒になると多くの患者が発生します。イベントなどの
大人数向けの調理をすることがあれば、上記の注意点を確認して、調理を
する全員にウェルシュ菌対策を徹底するよう努めてください。不明なこと
があれば、保健所へ相談するようお願いします。
[情報元:新潟県福祉保健部生活衛生課]