[ カテゴリー:食の安全, 食育 ]

豚肉の生食提供が禁止されます

食品衛生法が改正され、平成27年6月12日(金)から、豚肉を生食用として
提供することが禁止されます。
豚は食中毒菌以外にも、有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)などの寄生虫や
E型肝炎のウイルスに感染していることがあるため、生で豚肉を食べる行為は
大変危険です。牛のレバー刺し提供が禁止された平成24年以降、E型肝炎の
患者が倍増したというデータもあります。

今後、飲食店では、牛のレバーだけでなく豚肉も肉の中心部の温度を63℃で
30分間以上加熱するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱
殺菌して提供しなければなりません。
これと同等以上の殺菌効果を有する方法とは、加熱温度が高くなれば加熱
時間が短くても効果があることから、例えば、75℃、1分間以上の加熱でも
差し支えありません。
焼肉店等で焼肉用の生の豚肉を提供する場合は、しっかり焼いて食べること
や、生の食肉に使用するトングの使い分けについて説明する必要があります。

スーパー等の販売店で豚肉を販売する場合は、消費者が豚肉を中心部まで
十分に加熱して飲食するように、例えば
「加熱用です」
「調理の際に中心部まで加熱してください」
「食中毒の危険性があるため生では食べられません」
等を掲示するなどの対応が必要です。
インターネット等で直接消費者に販売する場合も、事業者は消費者が豚肉を
中心部まで十分に加熱して飲食するなど上記の内容を伝えることが必要です。

今回、食品衛生法の一部が改正されたことにより、牛レバーに加え豚肉も
生食用での提供ができなくなりました。現在、生食できる食肉は適正に処理
された馬肉と、法の基準に則って適正に処理された牛肉のみですが、必ずしも
安全であるわけではないため、特に子どもや高齢者、抵抗力が落ちている方
は食べない方が賢明です。
また、法で規制されていないからといって、牛や豚以外の肉を、生や加熱
不十分で食べることは、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌等に感染する
リスクが非常に高いため、中心部まで十分加熱した上で召し上がるように
お願いします。

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