「夕方に仮眠をとると夜の眠りが浅くなり、睡眠不足の原因になる」「週末の朝寝坊は、週前半の時差ぼけを引き起こす」。文部科学省が、体内時計の最新研究をもとに快眠のコツなどをクイズ形式でまとめた教材を作成した。
正しい睡眠習慣を理解して運動や勉強の成績アップにつなげてもらうのが狙いで、今月にも文科省のホームページで公開する予定だ。
「早寝早起き朝ごはん」といった規則正しい生活習慣は、子供の健やかな成長に必要なことから、文科省はこれまで小学生向けに教材を作成していた。文科省が2013年に行った調査では、中学3年生の約7割が午後11時以降に寝ると答えるなど、中学生から夜更かしが深刻になる。そこで、授業などで活用してもらおうと、中高生向けの教材を初めて作成した。
教材の内容は、睡眠学などの専門家を集めた文科省の検討委員会が検討。毎日規則正しく眠ること、朝食をとることが、心と体を健康にさせる上、勉強や運動の好成績につながるとして、科学的知見をもとに睡眠のポイントをまとめた。
教材では、食べる量が同じでも、夜遅くに食べると太りやすいことや、生活が朝型の方が夜型よりも、勉強や運動が好成績というデータも紹介している。テレビやパソコン、スマートフォン画面から出る青色光も体内時計に影響を与えることから、眠る前の利用は控えるべきだとしている。
検討委員会の座長を務めた和洋女子大学の鈴木みゆき教授(59)(睡眠学)は「生徒だけでなく、保護者や先生が、正しい睡眠の取り方を理解し、学校生活に役立ててほしい」と話している。
(2015年4月10日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=117272