新学期になると、子供たちが幼稚園や小学校にやってきます。
新しい先生、新しいお友達に胸をドキドキさせている子供も多いでしょう。
ロボットを育てて、心ワクワク。発達障害グレーゾーンの児童にユニークな教育支援
ところが最近増えているのが、落ち着きがない、先生のお話を聞いていられない、集団行動がとれないといった特徴をみせる子供たちだといいます。
発達障害なのか、やんちゃなだけの子供の個性なのか、心配される親御さんもいらっしゃるでしょう。
日本には児童精神科医が非常に少なく、診断は医師の主観によるものなので、発達障害とは診断されなくても、その可能性がある、もしくは境界線上にあるグレーゾーンと呼ばれるケースが増えています。
◆障害と認められないことのデメリット
発達障害者支援法では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥他動性障害(ADHD)その他これに類する脳機能の障害」を発達障害としています。
この法律では、国や地方自治体に対して、早期に発達支援の措置を講じるように定めています。
ところが、グレーゾーンの子供たちは、こういった支援の対象にはなりません。
日常生活ではトラブルを起こしがちで、先生や親に叱られ続けて、自己否定しながら成長していくことが多いのです。その結果、登校拒否やひきこもり、うつなどの二次障害が起きて、攻撃的、暴力的になる場合も少なくありません。
◆ロボットを育てて子供も成長
そこで名古屋大学、中京大学、名古屋工業大学と、障害児支援などに取り組む一般社団法人岐阜創発研究会では、共同でグレーゾーンの子供たちの心の発達と教育を支援するロボットの研究開発のための実験を行うことになりました。
自閉症や学習障害を支援するロボットの開発はこれまでにも行われてきました。今回の実験の新しさは、教育を支援するだけでなく、子供にお世話されるロボットだというところにあります。
グレーゾーンの子供たちは、先生や親から教示・指示される立場であることが多く、なかなか達成感を得られません。
そこで子供より知識レベルの低いロボットを世話し、指示することでロボットを成長させ、子供自身も満足感を得ながら知識を増やすことを目標にしています。
岐阜創発研究会が発達障害児のために創設した「ひかり塾」にロボットを提供し、グレーゾーン児童に対する教育や心理的な効果を検証します。ロボットと会話し、世話をすることでコミュニケーションの仕方を学ぶ効果も期待されています。
ロボットを育てながら、子供の心も育てるという取り組みの成果に期待したいですね。
参考:
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20150324_eng.pdf
http://www.gifu-er.com/education
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150408-00000004-mocosuku-hlth