帰宅後の洗顔、シャワーで予防を
花粉症の症状といえば、くしゃみや目のかゆみと思われがち。だが、花粉は肌にも刺激を与えている。
肌がかゆくなる、肌荒れするなどの症状がある人は、肌に花粉が付かないようにする対策が必要だ。
横浜市の野村皮膚科医院では、寒さが緩み始めた先月下旬から、ほおや目のまわり、首のかゆみやかさつきを訴えて受診する人が急に増えた。「花粉症皮膚炎の可能性があります」と院長の野村有子さんは話す。
冬に肌のかゆみやかさつきの症状があれば、まずは乾燥を疑うが、今の季節は徐々に湿度が上がっている。花粉が肌につくなどして、刺激を与えている可能性があるという。
野村さんによると、乾燥の場合は、「すね」「腰まわり」など、肌を乾燥から守る皮脂の分泌が少ない場所に症状が出るが、花粉が原因の場合は、「顔」「首」など露出している場所に症状が出る人が多い。
花粉症皮膚炎を防ぐためには、花粉を肌に付けたままにしないことが必要だ。野村さんは、「外から帰ったら顔を洗い、シャワーを浴びる。洗えない場合は、水でぬらしたハンドタオルで、こするのではなく、そっと押さえるように拭いて」と助言する。
症状がある時は、化粧品も刺激になることがあるので塗るとピリピリとした刺激を感じるものは使わない方がいい。「今年は花粉が多いと言われている。かゆみが出始めたら、早めに皮膚科を受診してほしい」と話す。
化粧品メーカー「ファンケル」が、昨年から今年にかけて600人の肌の角質を分析した結果によると、「乾燥や炎症が起こりやすい状態になっている人」が最も多い季節は「春」だった。
同社ビューティサイエンス研究センター長の松熊祥子さんは、「花粉など様々な刺激があるこの時期には、敏感肌の人は、肌を保護するクリームを塗るなどのきちんとしたケアが必要」とアドバイスする。
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