「オレだよ、オレ。会社のお金を使っちゃったんだ。このままだと会社をクビになっちゃうよ。助けてよ、母さん…」
アナタは電話でそう言われて、冷静な判断ができますか?
■大丈夫と思っている人がだまされる
突然の電話から始まる、いわゆる“オレオレ詐欺”を中心とする振り込め詐欺。「ウチの親は大丈夫」、「私は大丈夫」など甘く考えてはいないだろうか? 被害者の約9割が「自分は大丈夫だと思っていた」、「考えたこともなかった」と回答しているという(警視庁調べ)。
「声がいつもと違うね?」と疑っても「カゼをひいてノドの調子が悪いんだよ」など、言葉巧みにだまし込み詐欺をする、主に高齢者を狙った振り込め詐欺の被害が止まらない。
■被害総額は過去最悪の約559億円!
高齢者の5人に1人(19.8%)が振り込め詐欺などの電話を受けたことがあるという(埼玉県警察本部調べ)。また、2014年には振り込め詐欺を含む全国の特殊詐欺被害総額は、過去最悪の約559億円にのぼった(警察庁調べ)。振り込め詐欺を含む特殊詐欺の被害件数も1万3000件を超え、1件当たりの被害額は約420万円と高額だ。
■現金受取型は金融機関も防げない…
警察庁によると最近では、金融機関を通じ“振り込ませる”詐欺に加え、犯人が現金やキャッシュカードを直接自宅などへ取りに来る“振り込ませない”振り込め詐欺(いわゆる“受取型”の手口)が増加、平成26年上半期の振り込め詐欺のうち、振り込み型が約1割、現金受取型が約8割となっているという。
「自分は行けなくなったので、上司に行ってもらう」などと信じ込ませ、直接現金をだまし取るといった手口が横行すると、さすがに金融機関も防ぐことができない。
■被害の根は“固定電話”で絶て!
家庭での電話がきっかけとなるのが特殊詐欺の大多数。振り込め詐欺の被害を減らすには元を絶たねば! ということで、高齢者の使用頻度が高い固定電話に振り込め詐欺対策が望まれていた。振り込め詐欺の被害者層と固定電話の購買層はほぼ一致する。また、詐欺被害者の81%が女性との統計もある。そんな悪事にストップをかけるための機能を強化した家庭用の固定電話&FAXを先日、シャープがリリースした。
シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長である辰巳剛司氏によると、振り込め詐欺には「怪しい電話には出ない」「通話を録音し、相手に警告する」「怪しいときは身近な人にすぐ相談する」の3つだという。以上の3つの対策に役立つ機能が搭載された固定電話が、アナタを、そして大切なアナタの親を振り込め詐欺の被害から守ってくれるというのだ。その対策とは、具体的にどんなものなのか、チェックしてみると、
◎対策その1 怪しい電話には出ない
普段は緑色に光る着信ランプ。だが、電話帳に登録されていない番号からの着信の場合は赤く光り警告する。すると自動応答に切り替わり、相手の名前を尋ねるメッセージを流す。また、非通知での電話には自動で通話を拒否できる。
◎対策その2 通話を録音し、相手に警告する
「通話を録音する」という内容の警告メッセージを相手に流し、実際に通話内容を録音することができる。
◎対策その3 怪しいときは身近な人にすぐ相談する
不審な電話やしつこい勧誘電話など困った電話の後に、親しい家族や警察、自治体などあらかじめ登録した相談先に、ワンタッチで電話をかけられる。電話帳に登録されていない相手との通話後、今後着信を許可するか、拒否するかを簡単な操作で分類することが可能。
■東京都足立区で社会実験を実施
同社によると、実際に効果があるのかどうか、こちらの製品を100世帯にモニターとして貸出し、その効果を確認する社会実験が足立区で行われる予定だ。足立区は65歳以上の人口が24%を超えている。また、2014年には特殊詐欺被害件数が100件、被害額3億円を数える。この電話機による被害の削減、効果が確認されれば、補助金による同機の導入支援も検討されるという。
■親へのプレゼントにも
被害者の9割が「自分は大丈夫」と信じているのが、振り込め詐欺の被害減少を難しくしている大きな要因。アナタはもちろんのこと、アナタの親は本当に大丈夫?
操作が簡単で犯罪抑制が期待される本機をプレゼントとして親に贈る。そんな親孝行をしてみては?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150312-00010003-dime-bus_all