東日本大震災の教訓を受けて船橋市は9日、有事の際の避難者情報を、選挙用の「期日前投票システム」を活用して集約する実証実験を24日に行うと発表した。避難所で情報を入力して一元管理するもので、家族が別々に避難した場合でも情報を入手できるほか、負傷して病院に運ばれても、家族らが搬送先を知ることができる。全国でも初の試みという。
災害対策本部が避難者の実情に応じて支援物資を効率的に搬送できる利点もある。市選管事務局は「避難所は分散しており、情報が混乱しやすい。期日前投票システムを活用すれば、避難者情報を一元化して集約できる。個人情報提供のやり方や無線によるネットワーク確立などの課題を解決すれば、全国の自治体でも活用できるのでは」と説明している。
市選管事務局は選挙用のパソコン150台を所有しており、災害時には市職員がこれらを市内132カ所の避難所に持ち込む。選挙では選挙人名簿のデータを元に期日前投票所で投票状況を確認するが、代わりに住民基本台帳のデータを活用。避難者の情報を入力して一元管理する計画だ。
訓練は同市高根台の市立船橋特別支援学校に避難所を設け実施する。障害者や高齢者ら災害時要援護者の避難・移送訓練も行う。4年前の東日本大震災の際、同市では57カ所の避難所に約5480人が避難した。多くは帰宅困難者だった。
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