3月3日は“耳の日”。ママのみなさん、お子さんの耳は健康ですか?
文部科学省が昨年行った学校保健統計調査によれば、平成26年度の“耳疾患”、つまり中耳炎や外耳炎などの耳の病気のある子どもの割合は、小学生では5.7%、中学生では4%とのこと。これは、過去最高の数字となっているそうです。耳の病気が増加した原因は特定されていませんが、ちょっと気がかりなニュースですね。
お子さんの耳が痛んだり、聞こえづらかったりすればつらいですし、耳鼻科通いをするのも負担になるもの。ということで今回は、子どものための医学事典『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』を参考に、子どもによく見られる耳の病気とその注意点についてお伝えします。
■かぜの季節は中耳炎に注意
かぜの流行する寒い季節に多く見られる急性中耳炎。かぜによる発熱や鼻汁があるときに、耳管を通して中耳に細菌が感染しておこる病気です。小学校低学年ぐらいまでのお子さんがよくかかります。
主な症状は、耳だれや耳の閉塞感、痛みなど。また難聴をうったえることもあります。このような症状がある場合は早めに耳鼻科の受診を。
中耳炎にかからないようにするためには、鼻のかみに気をつけることも重要。鼻を強くかむと、その圧力で鼻汁が中耳に入り、それが原因でかかってしまうことがあります。片鼻ずつ、ゆっくりとかむように教えてあげましょう。鼻をかめない小さなお子さんの場合は、器具を使って鼻汁を吸引してあげるのがいいでしょう。
■耳そうじなどが原因の外耳道炎
外耳道炎とは、中耳よりも外側の“外耳道”に炎症や湿疹ができる病気。耳そうじで外耳道に傷をつけてしまったとき、アトピー性皮膚炎など、さまざまな原因でおこります。
外耳道炎になると、耳が痛んだりじくじくしたり、また、耳だれが出てかゆくなったり、ということもあります。このような症状があるときも早めに耳鼻科を受診しましょう。
お子さんの場合、自分で耳の中をかいてしまったときの傷が原因になることも。小さなお子さんが無意識のうちに耳をかいてしまうようであれば、爪を短く切ったり、手袋をはめたり、といった対策も考えたがいいでしょう。
■耳そうじのし過ぎはNG
実は耳あかは、正常な耳の場合なら、放っておいても自然に内側から外側に出てくるのだそうです。ということで、耳そうじの難しい小さなお子さんの場合、無理に取る必要はなく、耳の穴の入り口を綿棒などでふくだけでも大丈夫です。
耳そうじのできる年齢のお子さんでも、ひんぱんに耳そうじをするのは、外耳道炎になるリスクを高めてしまうことに。耳そうじをするのは月1回程度で十分。どうしても気になる場合でも、週1回までにとどめておいた方がいいでしょう。
また、耳そうじのとき、お子さんが動くなどしてうっかり耳かきで耳を突いてしまうと、鼓膜が破れることがあるので、こちらも注意が必要です。もし突いてしまったら、すぐに耳鼻科を受診してくださいね。
以上、子どもによく見られる耳の病気とその注意点についてお伝えしましたが、いかがでしたか? 中耳炎も、外耳道炎も、ある程度の予防はできる疾患ですから、鼻のかみや耳そうじなどで気をつけてあげたいもの。お子さんの耳の健康にも注意して過ごしてくださいね。
http://wooris.jp/archives/111814